先輩の声

総合診療・内科専攻医座談会

~ はり姫総合診療・内科で、専攻医として働く ~
はり姫総合診療・内科で専攻医として働く3人の先生に、志望診療科を決めたきっかけや、はり姫を選んだ理由、
はり姫で働いてみての感想や生活環境、目指している医師像など、お話を聞きました。
普段、カンファレンス以外ではなかなか顔を合わせる機会もないくらい忙しい3人の先生。どんな座談会になるでしょうか?

※参加者プロフィール、内容等は取材当時(2024年1月時点)のものです。

参加者プロフィール

  • M先生
    総合診療専攻医。急性期から慢性期まで、
    全部自分でやってみたいと総合診療の道へ
  • U先生
    内科専攻医。当院臨床研修で熱心に指導を
    受けたため、はり姫で専門研修をすることに。
  • I先生
    内科専攻医。県外で臨床研修後、
    専攻科に悩んだ後にはり姫へ。

優秀な先生が、プラス熱心に教えてくれる

ー 志望診療科を決めたきっかけや、はり姫を選んだ理由について教えてください。

(M先生)僕は、総合診療で、〇〇科だけではなく、救急や小児など全般的に研修しないといけないプログラムです。初期研修のとき、病気の一番しんどいところを直すだけになってしまい、患者さんから「困っていることがある」と言われても、そこに対応したり患者さんとの関係づくりをしたりする間もなく、次々と仕事が流れていってしまいました。そこに若干もやもやしたので、総合診療をやってみようと思いました。地元の姫路にはり姫ができて、Generalの土壌が作られたので、ここで研修させてもらっています。

(U先生)はり姫の前身の製鉄記念広畑病院で約1年間、統合再編後のはり姫でも約1年間、初期研修をしました。もともと急性期の病院で働きたいと思っていたんですが、急性期の疾患や、気管支鏡やドレーンを入れる手技が多いのが魅力的で、呼吸器内科を専攻することにしました。研修医のときに、総合内科や呼吸器内科の優秀な先生方に教わりました。優秀な先生は他院にも沢山いらっしゃいますが、他の科にも精通するくらい優秀な先生方から、プラス熱心に指導いただけたのが、はり姫に残った理由です。

(I先生)僕は、四国で初期研修をしました。志望診療科を決めるにも、脳神経外科に行こうか、内科に行こうかと、全く違う分野で迷っていました。地元の兵庫県の病院を探していたところ、地域医療の根幹になる病院が新設された点にも興味をそそられ、はり姫に行きつきました。当時興味のあった血液内科と糖尿病・内分泌科を見学しましたが、血液内科の先生とすごくフィーリングが合い、「この先生からいろいろ教えていただきたい」と思ったのがきっかけです。結構、人で決めてしまいましたね。

患者さんの抱え込んでいる問題を一つずつ紐解いていく

ー はり姫で働いてみて、思い描いていたイメージとのギャップや、良くないところはありましたか。

(I先生)総合内科をローテしたんですが、患者さんの抱え込んでる問題が多すぎて、対処が難しい症例が来て、最初は面食らいました。精神的な疾患が背景にあって、更に色んな疾患が加わってきてと。一つずつ紐解いていって、一つずつ改善していく過程を見られたのは、すごく良かったかなと思います。「〇〇さん」と患者さんの名前を聞くと、これこれのプロブレムがあって、ここが大変やった人やねと、名前で患者さんの印象が出てくるようになりました。

ー M先生、めっちゃうなずいていらっしゃいます。

(M先生)I先生のお話はマルティモビディティと言ったりします。多疾患併存もですし、社会的背景がやや脆弱な方とか。普段は表面化しなかった患者さんの問題が、病気の悪化をきっかけに爆発して、はり姫で解決することも多いので、本当に地域の砦の病院だなと思います。患者さんが運ばれてくる地域も広く、西のたつの・相生、北の宍粟など、中西播磨地域をちゃんとカバーしてると思います。

(U先生)では、僕は良くない点を言ってみます。前身の製鉄記念広畑病院は、良くも悪くも規模が大きくなく、ドクターもそんなに多くなかったので、ほぼ全ての先生の顔を見れば名前が出てきました。はり姫になるとドクター数が増え、「この先生見たことない!」という先生が増えました。知っている先生には相談しやすいんですけど、しゃべったことのない先生に初めて相談する時は、結構緊張します。結果的には、優しく教えてくれるんですけどね。

(I先生)総合内科、血液内科だけでなく、糖尿病・内分泌内科も回りましたが、上の先生からしっかりフィードバックしてもらえます。

便利な駅前、過疎化が進む周辺地域……医療者として考えることも

ー 姫路や播磨地域について、生活環境や医療状況はいかがですか。

(I先生)姫路は、比較的、街のほうかなと思います。スーパーも商業施設も近いし、JRがあるので交通の便もそんなに悪くないです。住む事に関して、何か不便を感じたということはないですね。

(U先生)姫路は都会のところは結構都会で、お店がいっぱい集まっているところもあれば、山とか田んぼとかの過疎地域も兼ね備えている地域です。はり姫の周辺は駅前というのもあって、めちゃくちゃ住みやすい環境かなと思います。

ただ、診療の場で、患者さんの住所を地図で調べてみると、紹介できそうなかかりつけ医がなく、ご自宅から遠方になったりします。入院して足の筋力が弱ったりすると、通院も難しくなるのでちょっと困ります。あと、姫路はお祭りがめちゃくちゃ盛り上がるんですが、お祭りの日は救急車の渋滞ができるので、皆さん健康に安全を守りながら、楽しんでいただきたいと思います。つまり、姫路はいい場所です。

どこでも働ける幅の広い医師に

ー 最後に、目指している医師像についてお伺いします。

(I先生)総合内科ローテ中、病気だけじゃなくて、社会的な問題から何からというのに、介入できるんだということを知ることができました。直近はとりあえず内科専攻医から専門医へというのはありますが、今後の医師人生の中で、全人的に診るというのを忘れずに続けたいと思います。

(U先生)こういう規模の病院だと、亡くなってしまう患者さんもおられます。最期をどう迎えるか話し合うんですが、家族さんはもっと頑張ってほしいけど、患者さんはちょっとしんどいと言ったり、なかなか折り合いがつかなかったりします。最近も、患者さんと家族さんのご意見が違いましたが、お互い納得されて最期を迎えられたという経験をしました。病気が治って元気に退院されるのも医者としては一つのやりがいですが、患者さん・ご家族さんが納得される向かい方を考えつつ、最後に感謝される医療者になりたいと思います。

(M先生)フィールドを変えると、自分の理想が変わってきます。他の規模の病院で働いたこともありますが、診療所で働いたときは「地域の最前線で、患者さんのためになることをやりたい」、中規模病院では「全部自分がやるんだ」と。高次医療機関にくると、自分のできることの限界や、専門家とのクオリティの違いに直面することもあったりするんですね。診療所・救急・中規模病院・高次医療機関、どこで働いても楽しく、やりがいがある。どこでも働ける、幅のある医者になりたいというのが今の気持ちです。

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