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検査科と病理検査のお話

広畑・臨床検査科

臨床検査科は生化学部門、血液部門、輸血部門、細菌部門、一般部門、生理部門、そして病理部門から構成されています。製鉄記念広畑病院では26名の臨床検査技師が勤務しています。

今新型コロナウイルスが流行していますが、ウイルスを検出する検査方法の一つであるPCR検査も臨床検査技師が行っています。

今回は病理検査について少しお話ししたいと思います。

病理検査は、患者さんから採取した組織や細胞を顕微鏡で観察し診断します。病理部の医師や臨床検査技師は患者さんと直接お会いすることはありませんが、病理検査は治療方針を決める大切な検査の一つで“縁の下の力持ち”の様な存在です。

病理検査で行っている業務は大きく分けて①組織診、②細胞診、③術中迅速診断、④病理解剖の4つです。

広畑・臨床検査科

①組織診は内視鏡の生検や手術などで採取された臓器から標本を作製し、鏡検・診断します。

内視鏡などの生検検体はわずか1~2mmの検体であり、慎重に検査を行う必要があります。

②細胞診は子宮頸部や尿、腹水などの検体から標本を作製し、鏡検・診断します。

細胞診は臨床検査技師の中でも細胞検査士という資格を持った技師が鏡検し、スクリーニングを行います。

スクリーニングの際にこのような異型細胞を見つけた場合は、病理医の先生とディスカッションしながら鏡検し最終診断します。

③術中迅速診断は手術中に臓器の一部や体腔液を採取し、良悪性や組織型の鑑別、リンパ節転移がないかなどについて診断します。手術中に行うためできるだけ早く手術室に結果を伝える必要があります。

通常の組織診では臓器をホルマリン固定してから標本を作製しますが、ホルマリン固定は6時間~48時間ほどの時間がかかります。

そのため術中迅速診断では検体を急速に凍結させて、厚さ5μmに薄切し標本を作製します。

薄切時には凍結した検体を冷やしたまま薄切できるクリオスタットという機械を用います。

標本作製までは検査技師が行い、病理医が診断します。

手術中に細胞診検体が提出された場合には、固定方法や染色方法は通常の細胞診と同じですがそれぞれの時間を短くした術中迅速細胞診を行うこともあります。


④病理解剖は病気で亡くなられた患者さんのご遺体を解剖し、生前の治療効果や死因の解明などを目的としています。

ご遺体から取り出した臓器から標本を作製し、鏡検・診断します。

病理解剖後には臨床側と病理側の検討会である臨床病理カンファレンス(CPC)が行われ、最終的な死因について議論します。


その他として内視鏡室に検査技師が出向き、超音波内視鏡穿刺吸引細胞診検査(EUS-FNA)中にベットサイドで迅速細胞診を行っています。EUS-FNA中の迅速細胞診は目的とする細胞が採取できているかの確認や、良悪性の診断を臨床医に伝えることを目的としています。




現在病理検査室では常勤病理医2名と臨床検査技師4名(細胞検査士3名)が所属しています。


今後県立姫路循環器病センターの検査科と交流していく予定です。


県立はりま姫路総合医療センター(仮称)は、2022年上期 開院予定です!!

 
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