救急科





救急科プログラム紹介動画

診療科紹介

「少しでも働きやすい環境の中で」
「少しでも多くのことを身につけることができる」
「個々として組織として常に成長できる」診療科を目指しています。

兵庫県最大の医療圏域である播磨姫路圏域83万人を支えてきた2つの救命救急センターが統合され生まれた、はりま姫路総合医療センター救命救急センターでは、2つの救命救急センターの実績もあり、年間7,600件以上の救急車搬入件数があります。

救急医として、確実な成長

内科的疾患では、関西有数の急性心筋梗塞、急性心不全の搬送数を誇り(姫路循環器病センター報告)、また、脳卒中の集約化(脳卒中ホットライン)、近隣病院からの紹介も含め、呼吸不全、重症肺炎、糖尿病性ケトアシドーシスなど非常に多彩な内科的疾患を経験できます。

外科的疾患も、播磨姫路圏域では唯一の救命救急センターであるため、重症外傷や全身熱傷、急性薬物中毒、また、海も山、田園も多く祭り好きな地域柄、minor emergencyなど、非常に多くの外因性疾患も経験できます。

年間7,667件(2024年度)の救急搬送数があり、各診療科とも協力しながら、三次救急だけでなく、二次救急にも対応し、応需率は80%以上を維持しています。重症患者数も多く、救急体制を強化し、救命救急センター充実段階評価でSランクを取得しています。

集中治療医として確実な成長

救急科は、主に、重症症例の初期診療から集中治療を行い、国内22番目となるハイブリッドERを駆使しながら、重症患者の診療に日々当たっています。基本的にはE-ICUと救急病棟が救急科の入院病棟となります。

E-ICUでは、主に入室した全症例の全身管理を行いますが、毎月100件以上(1,100例/年)の多彩な症例が連日入室するため、幅広い知識と緻密なアセスメントが必要となり、集中治療医として確実な成長を約束できると思います。

他科との密な連携 総合病院の強み
プレホス・災害医療の教育体制

また、33診療科と多くの専門医が在籍している強みを生かすため、救急科単独診療にならないよう、各科と連日のカンファレンスや回診など、密なコミュニケーションをとることで、シームレスな診療を行っています。また、救急医が苦手とする終末期医療にも、緩和ケア内科を含む多職種カンファレンスを施行するなど、取り組んでいます。

その他、プレホスピタルとして、月4回(毎週日曜)のドクターカーと、週2回木曜・金曜ドクターヘリ運用を行っています。ドクターヘリにも専攻医の間からOJT(on the job training)として指導医と一緒に出動し、経験を積めます。シミュレーション教育を行いながら単独出動を目指す教育体制を整えています。

また、災害医療活動など積極的に取り組み、院内にDMAT隊員が多数在籍しています。過去の災害支援活動実績もあり、能登半島地震でのDMAT活動や、海外の国際緊急医療支援活動(国際緊急援助隊)に従事する医師もいます。

オンオフをしっかりつけてもらえる環境

救急科の勤務は、暦ではなく、完全シフト制としています。しかし、暦上の休日数を確保し、休日希望には、ある程度フレキシブルに対応できるよう調整しています。また、時短勤務や日勤のみなど、家族各々の事情や用事など、家庭を考えた勤務スタイルを優先的に考慮するように勤務表を作成しています。

日勤は8時30分から17時30分までです。当直は17時30分から10時30分までですが、日中はフリーです。また、当直明けも迅速に引継ぎし帰宅していただき、オンオフをしっかりつけてもらえる環境を目指しています。

勉強会・シミュレーションを定期開催。留学も視野に。

他の診療科とも協力しながら、毎月1回の勉強会を実施し、多発外傷やECPRを中心にHybrid ERのシミュレーションを年数回開催しています。

また、兵庫県立病院救急医育成プログラムに参加することで、インセンティブとしての国内・海外留学や大学院進学もサポート致します。

兵庫県立病院救急医育成プログラムは、救急科専門医養成プログラムとキャリアアップ研修プログラムからなり、救急科専門医獲得後より始まるキャリアアップ研修では、サブスペシャリティ修得研修やダブルボード取得のための他の基本領域の専門研修プログラムへの参加を可能にすると共に、インセンティブ制度を利用しての国内・海外留学や大学院進学といった、各自の希望に見合ったオーダーメイドのプログラムを構築することができます。

このような研修に興味のある方は、当院救急科ないし兵庫県病院局管理課医師育成支援班(byouinkanrika@pref.hyogo.lg.jp)までお問い合わせください。

 

救命救急センター紹介

初療

ハイブリッドER(HERS) 1床

人工呼吸器・エコー配置

麻薬・ノンクロス輸血(RBC・FFP)配備

赤(重症疾患) 2床 各ベッドに人工呼吸器・エコー配置
黄(中等症疾患) 6床 エコー1台配置
緑(軽症疾患) 8床
血管撮影室 5床 ①②循環器内科専用:人工呼吸器・エコー配置 
③脳神経外科専用 
④放射線科専用



E-ICU/CCU(20床)

E-ICUとCCUの明確な病床数はなく、フレキシブルに運用

救急科によるclosed ICU + mandidate critical care consultation

 (循環器内科はCCU管理のため、mandidate critical care consultationのみ)

超重症用 5床

ECMOやImpella、ICPなど様々なデバイスが挿入されている

重症用 10床

呼吸器管理が必要な症例(うち、3床が陰圧室、1床が熱傷処置室隣接)

中等症用 5床

個室管理用 人工呼吸器管理不要だが、厳重な監視が必要な症例



救急病棟(24床)

各科それぞれによる管理のため、各科病床数はなし。ベッドコントロールは各科+救急病棟Nsにより調整



憩いの場所

  • 救急カンファレンス室

    365日朝、作戦会議
    (救急科と関連診療科、Ns、MSWが集まります)
    唯一テレビが見れる場所

  • 救急科医師控室

    冷蔵庫、レンジ、食器乾燥機配置常に誰かがお菓子を置いてくれます。

  • タリーズコーヒー

    優雅な時間にぴったり

  • ローソン

    朝7時~22時まで営業中 常に食料があります

スタッフ紹介

⾼橋 晃
役職 診療科⻑・救命救急センター⻑
卒年 H7年卒
専門領域 救急、外科
専門医等資格 ⽇本救急医学会救急科専⾨医
⽇本外科学会外科専⾨医
⾝体障害者福祉法第15条指定医
⽇本DMAT隊員
医学博⼠
臨床研修指導医
ICLSコースディレクター
FCCS受講修了
林 伸洋
役職 救命救急センター副センター⻑・救急科部⻑
卒年 H15年卒
専門領域 外傷・外科
専門医等資格 ⽇本救急医学会救急科専⾨医
⽇本外科学会外科専⾨医
⽇本外傷学会外傷専⾨医
腹部救急認定医
ACS認定外科医
JATECインストラクター
SSTTインストラクター
ICD制度協議会インフェクションコントロールドクター
TNT認定医
⽇本DMAT隊員
清水 裕章
役職 救命救急センター副センター⻑
卒年 H20年卒
専門領域 ARDS ECMO、神経集中治療
専門医等資格 ⽇本救急医学会救急科専⾨医
⽇本集中治療医学会集中治療専⾨医
⽇本脳神経外科学会専⾨医
⽇本脳卒中学会専⾨医
⽇本中毒学会クリニカルトキシコロジスト
⽇本呼吸療法医学会専⾨医
水田 宜良
役職 救命救急センター副センター⻑
卒年 H22年卒
専門領域 整形外傷、熱傷、災害医療、メディカルコントロール
専門医等資格

⽇本救急医学会救急科専⾨医
⽇本整形外科学会専⾨医
臨床研修指導医
兵庫県メディカルコントロール医師
⽇本DMAT隊員(統括)
国際緊急援助隊医療チーム登録
PEMECマスターインストラクター

田口 裕司
卒年 H23年卒
専門領域 DMAT・病院前診療、IVR
専門医等資格 日本救急医学会救急科専門医
日本DMAT隊員(統括)
日本航空医療学会認定指導者
白川 和宏
卒年 H26年卒
⾼⽥ 健司
卒年 H30年卒
専門領域 救急・集中治療
専門医等資格 ⽇本DMAT隊員
中嶋 ⿓作
卒年 H31年卒
専門領域 救急・集中治療
専門医等資格 ⽇本DMAT隊員
吉⽥ 将⼤
卒年 H31年卒
専門領域 消化器外科・外傷救急外科
門口 春加
卒年 R3年卒
専門領域 救急全般
田中 黎
卒年 R5年卒
専攻医
専門領域 救急全般
岡本 亮太
卒年 R5年卒
専攻医
専門領域 救急全般
港 海⽃
卒年 R5年卒
専攻医
専門領域 救急全般
中尾 比奈
卒年 R6年卒
専攻医
専門領域 救急全般
赤井 陽至
卒年 R6年卒
専攻医
専門領域 救急全般
伊藤 史苑
卒年 R6年卒
専攻医
専門領域 救急全般

⾮常勤

当麻 美樹
役職 救急科参与
卒年 S57年卒
専門領域 外傷診療、熱傷、集中治療、病院前診療
専門医等資格 ⽇本救急医学会功労会員・救急科指導医・救急科専⾨医
⽇本集中治療医学会集中治療専⾨医
⽇本外傷学会功労会員・外傷専⾨医
⽇本熱傷学会熱傷専⾨医
⽇本航空医療学会認定指導医
ICD制度協議会インフェクションコントロールドクター
臨床研修指導医
初療室救急超⾳波装置管理担当

HGMC治療戦略

救急科独自

当科独自のプロトコールです。工夫して臨床をしています。

経管栄養プロトコール

(高蛋白含有の栄養剤がないため苦肉の策)

抜管プロトコール


ARDS治療プロトコール

脳保護プロトコール

他科連動

肋間固定後抜管プロトコール

脳梗塞血栓回収プロトコール

研究・学会発表・論文実績

学会発表

発表年月 発表学会・テーマ
2025年3月 第30回日本災害医学会
災害医療の学びを広げる 地域の災害拠点病院を結ぶオンライン勉強会
2024年11月 第31回日本航空医療学会
プレホスピタルの経験を増やす準基地病院での工夫
救急救命士と医療スタッフのジョイントトレーニング
2024年10月 第52回日本救急医学会
経カテーテル動脈塞栓術により止血した外傷性二次性横隔膜損傷による遅発性大量血胸の2例
内視鏡的脳室洗浄を施行した過粘稠性Klebsiella pneumoniaeの直接伝播と考えられる脳室炎の一例
S.constellatusによるLemierre症候群・降下性縦隔炎から敗血症性ショック、ARDS、敗血症性心筋症になりECMOを要した一例
多彩な臨床所見を呈した上腸間膜動脈症候群の一例
HERSの適切な利用・導入に向けて 当施設でのHERS有用性を高めるには救急CT室の併設
2024年9月 第19回兵庫県立病院学会
小中学生向けの救急ワークショップ 県立病院と消防、行政、教育機関との連携プロジェクト
2024年7月 第27回日本臨床救急医学会
災害医療に対する意識調査 被災・災害支援の経験の有無は災害の関心度に影響するのか
2024年5月 第97回日本整形外科学会
国際災害支援における亜急性期での整形外科疾患の特徴と課題
2024年4月 第38回日本外傷学会
蘇生的TAE症例におけるHERSトリアージ
左胸部刺創・成傷器遺残に対し経皮的心肺補助装置待機下に肺損傷修復術を施行した一例
新しい診療体制づくりを見据えたIVR通い研修
2023年6月 第37回 日本外傷学会 重症多発外傷に急性冠症候群を合併した一例 ~Hybrid ER でのシームレスな蘇生治療~
2023年6月 第37回 日本外傷学会 肋骨骨折により遅発性血胸をきたした横隔膜損傷の2例
2023年3月 第28回 日本災害医学会 新病院開院時の災害モード対応 ~2つの救命救急センターの合併~
2022年10月 第50回 日本救急医学会 グループ通話を利用した救急隊ホットライン・ブリーフィング
2022年10月 第50回 日本救急医学会 当院におけるE-ICUの新たな運用と取り組み
2022年10月 第50回 日本救急医学会 2病院の統合準備段階におけるISLS合同開催のもたらす効果について
2022年10月 第50回 日本救急医学会 2つの救命救急センターが合併した新病院におけるチームとしての初療室運営
2022年10月 第50回 日本救急医学会 ワルファリン過量服用によって凝固異常が遷延した1例
2022年10月 第50回 日本救急医学会 びまん性特発性骨増殖症に合併した外傷性食道穿孔から髄内膿瘍に至った一例
2022年10月 第50回 日本救急医学会 動脈塞栓術と開腹止血術にて救命し得た膵十二指腸動脈瘤破裂の一例
2022年6月 第29回 日本臨床救急医学会ランチョンセミナー:肺エコー
2022年6月 第36回 日本外傷学会総会 ポスター:コロナ禍に海外外傷外科研修を経験して

論文実績

ただいま準備中です。



募集要項

正規医師 免許取得後6年目以上の医師
専攻医 臨床研修修了または修了見込みの医師

身分・給与

正規医師または会計年度任用職員(専攻医)

給与・待遇は兵庫県規程等による

別途お問い合わせください

お問い合わせ

  • 兵庫県立はりま姫路総合医療センター

    総務課 蔭木

    TEL: 079-289-5080

プログラム担当者からのメッセージ

超重症患者さんを救命する!その経験が成長につながります。

「人材育成」に主眼を置いています。

私たちの施設では、二次・三次救急を対象とし、重症患者さんが多数搬送されます(年間あたり救急搬送7,667件、入院4,831件、重症1,228件)。救急科専門医だけでなく、33の各診療科があり診療能力は非常に高いです。また、設備(CT・血管造影・手術が可能なHybrid ER、アンギオ室5室、コメディカル多数)も整っています。

集中治療、病院前診療(ドクターヘリ、ドクターカー)、救急外科、IVR、災害医療などを経験するうちに、診療能力が向上し、自分の将来の目標像に近づけると思います。救急科専門医の取得だけでなく、サブスペシャルティ(救急以外の診療領域)の修練についても相談にのります。

「はり姫救急」で夢をかなえましょう。

救命救急センター長(プログラム責任者)高橋 晃

プログラム内容・連携施設

プログラムの特徴

  • 播磨姫路医療圏(約80万人)唯一の救命救急センターで、重症例の多くが当院へ搬送されるため、内因性、外因性を問わず豊富な症例が経験できます。
  • 救急外来では三次・二次救急に対応し、重症患者にはHybrid ERを駆使して治療にあたっています。
  • 救命救急センターとして救急車・ドクターヘリ等による二次・三次救急の搬入総数は7,667件/年(応需率81%)となり医療圏内最多になりました。救急車搬送は平均20.8件/日で、救急外来患者数は31.1件/日となっています。
  • 重篤患者数として総計1,292件で、内訳としては病院外心肺停止205件、急性冠症候群240件、大動脈疾患87件、脳血管障害130件、重度外傷209件、消化管出血34件などとなっています。 
  • 集中治療はHigh intensity ICUとして、主科と連携しながら救急医が集中治療を行います。循環器内科、脳神経内科・外科、各専門内科、外科があり、月当たりの入院件数はEICU/CCU約90件、救急病棟約200件と全国的にも多いレベルとなっています。
  • 病院前診療として、週2日兵庫県ドクターヘリが駐機しています。準基地病院で年間出動件数は150件を超えています。2023年秋よりドクターカーの運用を開始し、土日隔週となりますが、出動件数を増やしています。当院では専攻医からドクターヘリ、ドクターカーのOJTを行っており病院前診療の経験を積むことができます。
  • 災害拠点病院として多数のDMAT隊員、JDR(国際緊急援助隊)隊員が在籍しており、能登半島地震では当院より計4チーム派遣しました。
  • 総合病院、県立病院の強みを生かし、様々な領域の経験やローテーションが可能です。働き方も県立病院の規程に応じた制度があり、ER専従(外来特化)、ICU専従等について相談に乗ります。
  • 5名の救急科専門医がプログラムの指導にあたり、勉強会、シミュレーション、メンター制などを導入し、若手教育に力を入れています。
プログラム例

横にスクロールしてご覧ください。

*基幹施設12ヶ月以上(1年目9月以上)、連携・関連施設3ヶ月以上12ヶ月以内(1~3年目)を原則とします。

*連携・関連施設の研修時期は、希望に応じて各施設と相談の上決定。

関連・連携施設群

<兵庫県内>
兵庫県立加古川医療センター救命救急センター(三次特化型、広域)、兵庫県災害医療センター(三次特化型、都市部)兵庫県立こども病院(小児救急)、公立豊岡病院但馬救命救急センター(ER型、広域)、兵庫県立尼崎総合医療センター(ER型、総合診療)、兵庫県立西宮病院(二次・三次)、兵庫県立淡路医療センター(ER型、地域医療)、加古川中央市民病院(ER型、総合診療)、神戸市立医療センター中央市民病院(ER型、集中治療)、社会医療法人松藤会入江病院(地域医療)、姫路医療センター(地域医療、プレホスピタル)、
公立宍粟総合病院(地域医療)、兵庫県立丹波医療センター(地域医療)、赤穂市民病院(地域医療)、兵庫医科大学病院(学問涵養)、神戸大学医学部附属病院(学問涵養)

<県外>
薬師寺慈恵病院(地域医療)、 りんくう総合医療センター大阪府泉州救命救急センター(高次外傷診療)、洛和会音羽病院(ER型、都市部)、国立国際医療センター (ER型、都市部)、沖縄県立中部病院(ER型、島嶼)、佐賀大学医学部附属病院(学問涵養)

募集定員

6名

専攻医の声

これまで当科で研修をされた専攻医の先生方の声をご紹介しています。

はり姫で病院前診療を学んだことが、間違いなく人生のターニングポイントとなりました。

3ヶ月間、はりま姫路総合医療センター(通称 はり姫)の救急科で研修をさせていただきました。研修を志願した主な理由は、病院前診療を後期研修医のうちに経験しておきたかったからです。

私は中学3年生のときに東日本大震災を東京で経験し、それ以降何もない場所でも人の命を繋ぐことができる救急医に憧れ、災害医療や病院前診療に強い興味を抱いていました。一方、初期研修から勤務している病院は都心部にあり、周囲は病院で溢れているためドクターカーやドクターヘリの需要がなく病院前診療に触れる機会がありませんでした。救急医として何を専門にして今後の道を歩んでいくか。後期研修医3年目の大切な時期に3ヶ月間病院前診療を学ぶ機会をいただけたのは、私にとって間違いなく人生のターニングポイントとなりました。

私は生まれも育ちも東京で兵庫県は未踏の地でしたが、姫路駅は新幹線も止まるため東京からのアクセスがよく、坂が少ないため自転車でも移動が苦にならず、とても過ごしやすい場所だと感じました。はりま姫路総合医療センターは、播磨姫路医療圏内(人口80万人)で唯一の救命救急センターで、病床も700床と規模が大きく、新しく合併した病院であることも手伝って、姫路の命綱・救命の砦という使命感に満ち溢れた綺麗な病院というのが第一印象でした。姫路に来た初日にタクシーに乗った際、目的地に病院の正式名称を伝えても聞き返され、困った結果「はり姫」と伝えたところすぐに通じたことを覚えています。姫路の人々に愛称で呼ばれ、生活の一部として根付いた病院なのだな、と働く前から高揚感で胸がいっぱいでした。

ドクターヘリのOJTとして同乗。病院前診療の難しさと、面白さに気付かされました。

はり姫は週に2回ドクターヘリ、週に1回ドクターカーを運用しています。外部から来た人間であるにも関わらず、私はドクターヘリのOJTとして3ヶ月間で計8回の出動に同乗させていただきました。内訳としては転落外傷が多かったほか、脳卒中・心筋梗塞疑いや痙攣など内因性疾患の要請もありました。この8回の活動を通して、特に医師・看護師が現場にいくメリットをどこまで発揮できるかという点を考えさせられました。

インホスピタルで行っている診療をそのまま行おうとすると、基地病院からランデブーポイントまでの往復時間+診療時間が陸路での搬送時間を大幅に上回ってしまう可能性があり、それはむしろ患者さんにとって有益とは言い難いためです。必要な問診・身体診察のみを行い、速やかに適切な病院選定を行って、安全に移動できるような処置を施すという臨機応変さが求められる点が、病院前診療の難しさであり、同時に面白さであると気付かされました。

▼ドクターヘリ搬送▼

はり姫では、出動の記録をウェアラブルカメラに残しており、毎回の出動後にデブリーフィングを実施し、活動内容を多職種で振り返りを行っていました。毎回の出動ごとに「あれでよかったのだろうか」という疑問点が発生するため、多職種の目線から忖度ないアドバイスをいただける時間は大変有意義で実りあるものでした。出動を重ねれば重ねるほど、経験が自身の中に引き出しとして残り、今でもパノラマのように思い出すことができます。貴重な経験をさせていただいたことに感謝の思いでいっぱいです。

▼救急車内での病院前診療▼

各科の先生方が快く教えてくださり、学びを深めながら集中治療管理に携わることができました。

救急科に入院となった患者さんは主治医制で管理を行います。重症外傷だけでなく、敗血症性ショックや急性腎障害といった内因性疾患の患者さんを担当する機会も多くありました。V-V, V-A ECMOやCHDF、ICPなどを必要とする重症な患者さんも多く、そういった患者さんを主治医として担当することで改めて知識と責任感を養いました。これまで不勉強で集中治療領域の最新の知見についていけず経験則で管理をしてしまっていたことも多かったのですが、先生方にエビデンスに基づいた医療を丁寧にご指導いただき、毎日必ず学びがある日々を過ごしました。同時に私も集中治療専門医を取得し、EBMに基づいた管理を行えるようになりたいという目標を強く抱けるようになりました。

また、はり姫の救急外来に搬送された重症患者はEICUに入室となり、closed ICUで救急科が各科と連携し集中治療管理を行っています。私の病院はopen ICUのため、救急科に入院になった重症患者は担当したことがあるものの、脳神経外科や外科で緊急手術を要した患者の集中治療管理の経験はほとんどありませんでした。術後管理をするためには、その患者さんがどのような疾患でどんな術式の手術をうけたのか把握しないと気をつけなければいけない点もわからないため、未熟な私は解剖学の知識から勉強が必要な状態でした。ですが、外科の先生や脳神経外科の先生はじめ各科の先生方が快く教えてくださり、学びを深めながら、上級医の先生のご指導のもと集中治療管理に携わることができました。救急科として経験しなければいけない症例を、はり姫で初めて経験させていただくことも多く、貴重な時間を過ごすことができました。

はり姫での研修は、救急医を強くさせる、そう確信しています。

病院前から医療介入を行い、搬送してきた重症外傷の蘇生に心血を注ぎ、ICU入室後も各科と連携しながら主体となって治療方針を考えることができる。病院前診療・重症外傷・集中治療を経験しながら成長できる、こんなに贅沢な環境は他にないと思います。はり姫での研修は、救急医を強くさせる、そう確信しています。実際に、同期や後輩にあたる専攻医の先生方は本当に優秀で、自分の足りない点を思い知らされながらも毎日良い刺激を沢山うけました。今東京で働いていても、同年代の救急医が姫路で頑張っていると思いを馳せるだけで、日々の救急外来診療を精力的に行うことができています。経験、学び、出会いに恵まれたことに感謝せずにはいられません。

私が今、病院前診療と集中治療を専門にしていきたいと胸を張って言えるようになったのは、はり姫での3ヶ月間があったからです。ときに正反対の専門性だと不思議がられることもありますが、私の描くビジョンが明確で迷いがないのは、はり姫で経験した症例や、こうなりたいと願ってやまない先生方の背中があるからです。また是非機会があれば、はり姫で働かせていただきたいと切に願ってやみません。

末尾になりますが、3ヶ月間大変お世話になった救急科の先生方、外科はじめとする他科の先生方、優しく明るく接してくださった看護師さん、コメディカルの皆様に心から御礼申し上げます。はり姫のますますのご発展を心よりお祈り申し上げます。

▼S先生作の救急科スタッフイラスト▼

RECRUIT

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