当科は正規医師20名、専攻医6名の、全26名体制で歩み始めました。正規医師はそれぞれが循環器領域の専門分野(冠動脈疾患、構造的心疾患、末梢血管疾患のカテーテルインターベンション、不整脈に対するアブレーション、デバイス手術、非侵襲的画像診断、心不全診療、心臓リハビリテーション、成人先天性心疾患など)を持つエキスパートの集団です。そして専攻医は、「はり姫」でのタフなトレーニングを希望して集まってきてくれた熱いメンバーです。
当科の売りはなんといっても真の24時間体制で、救急診療を行っていることです。兵庫県立姫路循環器病センターという名前はなくなりましたが、従来より担ってきた地域の循環器診療の中核としての役割を、機能はそのままに「はり姫」で引き継いでいます。開院早々から100名以上の入院患者に対応しています。総合病院化を契機に、診療体制の強化やさらなるチームのレベルアップを目指していきます。現在、夜間休日は大変多忙な状態で、当科医師が二人体制で当直しています。
2010年11月1日、兵庫県立姫路循環器病センターの時代から 当科の活動をこちらで公表してきました。
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当科は1981年に前身の兵庫県立姫路循環器病センターの一部として設置されて以降、中播磨地区のみならず、兵庫県内の広域において循環器疾患で困っておられる患者さんの治療に従事してきました。救急救命センターを立ち上げ、救急患者の受け入れに力を入れてきましたが、循環器救急で対応する疾患は急性冠症候群、急性心不全などさまざまで、特に当科は本邦での急性冠症候群に対する緊急カテーテル治療の先駆けとなり、豊富な経験をつみ、実績を残してきました。その精神は現在に至るまで受け継がれ、夜間、休日を問わず緊急治療を行えるように24時間体制を整えて、チーム一丸となって救急医療に立ち向かっています。
カテーテル治療を行った後は、外来で適切な薬物加療のアドバイス、生活指導を継続して、再発予防に努めながら、それでも症状の悪化、再発を認めた場合には、心筋シンチグラム検査、運動負荷試験を用いた詳細な虚血評価を行っています。最近になって、虚血を適切に評価することで本当に必要なカテーテル治療だけを行うことで、心臓の予後を改善させることができると言われるようになってきましたが、当科では以前より患者さんの病状にあわせて、これを実践してきました。最近普及してきた心臓リハビリテーションも、当科では早期より導入し、患者さんの心臓ポンプ機能の強化に取り組んできました。
また、当科には不整脈、弁膜症、心不全といった社会の高齢化に伴って増加してきている疾患に対応できる専門グループがあり、最新の知見を用いた高度な治療を行っています。弁膜症であれば、以前は開胸手術でしか治療できなかった患者さんにも、心臓血管外科と十分な話し合いを行った上で、カテーテルを用いた低侵襲治療を受けていただくことができるようになりました。これからもさまざまなデバイス治療が本邦でも行えるようになりますが、当科では積極的に導入していく予定で、高齢化社会における健康寿命の延長を実現できることが期待されます。
そして検査技術の向上は、難病とされてきた疾患についても、早期の診断・治療を可能として、入退院を減らすことで生活の質の向上にもつながってきますが、当科では心臓病に対して、CT検査、MRI検査、PET検査などを用いて、詳細なアプローチを行っています。
姫路循環器病センターでは循環器専門病院として質の高い治療を行ってきましたが、これからは当科の強みを生かしつつ、他科と連携して、さまざまな疾患を同時に抱えて悩まれている患者さんに対しても、包括的な治療を実現させていきます。何かお困りのことがありましたら、まずはご相談ください。
実施日 | 火曜日 第1週、第3週 |
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担当医師 | 谷口 泰代 (総合内科)、絹谷 洋人 (循環器内科) |
肺高血圧症はさまざまな原因で肺動脈の圧が上昇する疾患です(一部、厚生労働省の指定難病に指定されています)。10数年前はほとんど有効な治療法がありませんでしたが、近年、新しい薬剤や新しい治療法が発見され、「治療ができない病気」から「治療ができる病気」になりました。症状は“息切れ、易疲労感、失神、浮腫”がよくある症状で、専門医療機関での診察が必要です。
肺高血圧症の原因は、循環器疾患、呼吸器疾患、膠原病など、多岐にわたりますので、当科では他の専門科と協力しながら、肺高血圧症の診療ができる体制を整えています。慢性肺血栓塞栓性肺高血圧症などで手術が必要な場合には、神戸大学医学部附属病院をはじめ、他施設と連携することもあります。原因不明の息切れ、浮腫で困りの際には、かかりつけの先生にご相談の上、肺高血圧外来を紹介していただいて下さい。
大阪大学付属病院、国立循環器病研究センターで植込み型補助人工心臓(VAD)を装着していただいた患者さんは、上記施設と連携しながら、当院のVAD外来にも通院していただき、情報共有しています。毎月第1週の金曜日、医師、看護師、臨床工学技士のスタッフで外来をしています。外来では、①患者さんの心不全などの状態確認、②抗凝固薬の調整、③VAD機器の確認 ④ドライブライン刺入部の確認をしています。
※心臓核医学検査とは心臓に集まる微量の放射線を発生する薬剤(放射性同位元素)を体内に注入して心臓の画像を撮影する検査です。
※心臓核医学検査は大きく分けると①負荷心筋シンチグラフィと➁安静心筋シンチグラフィがあります。
心臓に血液を送る血管(冠動脈)が動脈硬化などによる狭窄や閉塞により心臓の血液の流れが悪くなる疾患(狭心症や心筋梗塞)を調べる検査です。心臓の血液不足(心筋虚血)や心臓の筋肉のダメージ(心筋障害)、心臓の機能を調べることができます。
心筋虚血を診断するには心臓に負荷をかけた時の画像と負荷をかけていないときの画像が必要であるため、2回に分けて撮影を行います。
負荷にも2種類の方法があり①運動負荷法と②薬剤(アデノシン)負荷法に分かれます。
運動負荷は自転車をしっかりこいで行いますので、ご年齢や足腰の痛み、お持ちの疾患によって運動が難しいと判断される場合には薬剤負荷を行っています。
※体重により放射性同位元素はTl(タリウム)もしくはTc(テクネシウム)のどちらかを用いますが検査の精度は同等です。
※Tl、Tcのどちらでも負荷方法も同じですが放射性同位元素によって画像撮影のスケジュールが異なります。
※運動負荷はだんだん重くなる自転車エルゴメーターを約10分程度こぎます。
※薬剤負荷は血管を拡張させるたり心拍数を上昇させる薬剤(アデノシン)を6分間点滴で投与します。検査の効果をあげるために軽く自転車もこぎます。
負荷および安静の2回の撮像結果をもとに心筋血流の画像を作って診断します。心筋血流の欠損がある場合、狭心症や心筋梗塞が疑われるため、追加の検査や治療をおすすめしたり、お薬の治療を強化したりします。
狭心症や心筋梗塞などの虚血性心疾患以外の原因で心臓の働きが悪くなる心疾患の検査や診断に使用します。負荷をかけず、疑われる病気によって、それぞれに適した放射性同位元素を注射して撮影を行います。脂肪酸代謝シンチグラフィ(BMIPP)、安静血流シンチグラフィ(安静Tc2回撮影)、心筋交感神経機能シンチグラフィ(MIBG)、ピロリン酸シンチグラフィ(Tc-PYP)などがあり、心臓の働きや心筋の異常などについて調べます。
心臓CT検査では、心電図を取りながら造影剤を注射して、通常の断層撮影をした後に、画像をPCで三次元的に再構成することで、冠動脈や心臓の形態を評価できます。多くの場合は冠動脈に狭窄や閉塞の存在が疑われている患者さんに施行しており、冠動脈の走行や狭窄度、プラークの性状、石灰化の範囲や厚み、閉塞している部分の詳細な評価などに使用しています。
以前は、冠動脈の異常は侵襲的な心臓カテーテル検査でしか評価ができませんでしたが、この検査であれば低侵襲に検査できます。また、上記のようなPCI(カテーテルを用いた冠動脈の治療)を行う前の術前評価や心臓手術(バイパス手術)の術後評価、経カテーテル的大動脈弁置換術(TAVI)の術前評価、心房細動のアブレーションの術前評価にも使用しています。心臓の形態評価、冠動脈奇形(瘤や瘻)の形状の確認といった、先天性心疾患がある患者さんについても有用です。
しかし、造影剤に対するアレルギーがある方や、腎臓の機能が低下している方については、検査ができない場合や、回避した方がよいことがあります。さらに、冠動脈の石灰化が大変強い患者さん(ご高齢の方で多い)では評価が難しくなりますし、不整脈がある患者さんでは画像がぶれてしまって正確な検査ができないことがあります。また、全く症状がない患者さんや冠動脈疾患の可能性が低いことが想定される患者さんのスクリーニングの検査としては、上記のような不利益をもたらす場合があるので当院では行っていません。
検査の前には、患者さんの脈拍数に応じて脈拍を抑える内服薬や注射薬を使用し、画像のぶれをできるだけ回避するように努めています。
心臓は血液を全身に送り出すポンプですが、心臓自身も冠動脈という心臓の表面を『冠』のように覆う血管で栄養されています。加齢などにともなって動脈硬化が進むと、冠動脈の内側にコレステロールなどが付着して粥腫が形成され、血管の中が狭くなってきます。これによって心筋への血液の流れが低下する疾患を、虚血性心疾患といいます。虚血性心疾患には、『狭心症』と『心筋梗塞』があります。
冠動脈が狭くなると、運動したときなど、心筋への血流の需要が増加したときに血液の供給が不足することで、胸の痛みや圧迫感が出現します。この状態が『狭心症』です。また、粥腫の一部が破れ、粥腫の中身が血液と接触することで血栓が形成され、完全に冠動脈が血栓で閉塞してしまった状態が『心筋梗塞』です。心筋梗塞になると心筋が障害されて壊死するため、命にかかわる深刻な状態になります。
一般的に、治療方針は循環器内科で行っているカテーテルカンファレンスや、循環器内科と心臓血管外科で定期的に行っている合同カンファレンス(ハートチームカンファレンス)で決定します。
当院では年間600例超のPCIを行っており、近畿圏ではトップレベルです。前身である兵庫県立姫路循環器病センターでの41年で行った治療件数は、20,000件を超えていました。日本でまだ急性心筋梗塞に対するPCIが一般的でなかった時代から、姫路市を中心とした近隣の消防・救急隊と連携を行い積極的に救急症例に対応を行ってきました。
また、当院で行っているPCIの半分弱が不安定狭心症や心筋梗塞などの緊急症例に対してで、この割合も非常に高いです。緊急症例の比率が高いことは、夜間・休日も含め、24時間体制でカテーテル室をすぐに使用できるようにスタッフが配備されている病院、適切な症例に対してPCIを行っている病院の目安とされています。
当院の開院以降は夜間・休日も2名の当科医師が日当直しており、今まで以上に緊急症例への対応に力をいれています。
また、最重症の緊急症例である院外心肺停止に対しては、救急科医師とともに治療にあたっています。救急救命センターには、地域初となるCTとカテーテル、手術台機能を有するハイブリッドERを備えており、救急受け入れから、経皮的補助循環装置を用いた心肺蘇生、PCIによる血行再建、全身評価のCT検査をシームレスに行っています。
下肢閉塞性動脈硬化症は、足の血管の動脈硬化が進み、血管が細くなる(狭窄)、または、詰まる(閉塞)病気です。狭窄や閉塞により、血液の流れが悪くなることで、歩行時の足のだるさ・しびれを感じるようになり、進行すると安静時にも症状が現れます。さらに悪化した場合、傷ができても治りにくくなる(創傷治癒の遅延)場合があり、重症下肢虚血という病名になります。危険因子は、喫煙、糖尿病、高血圧、脂質異常症です。
1が軽症で、4がもっとも重症です。
ABI | 手足の血圧を同時に計ってその比を計算することで、足の血流を評価します。 |
---|---|
下肢エコー | 低侵襲で足の血管を評価できます。ただし、病変の部位によっては、評価が難しいこともあります。 |
CT | 造影剤を用いて、血管の状態を評価します。造影剤を使用するため、腎臓の悪い方には注意が必要です。 |
MRI | 造影剤を用いずに、低侵襲で血管の状態を評価します。正確さがCTに劣ります。 |
下記の治療がありますが、患者さんの病状によって最適な方法が異なり、これらを組み合わせて対応しています。適切な治療時期を逃すと足の状態が悪くなり、足の切断等、生活に大きな影響を与える可能性もありますので、早期に専門医の診察を受けることをお勧めします。
カテーテル治療 | バイパス術 | |
---|---|---|
入院期間 | 短い | 長い |
侵襲度 | 低い | 高い |
麻酔 | 局所麻酔 | 局所麻酔または全身麻酔 |
治療効果 | 繰り返し治療が必要な場合も | カテーテルと同等または長持ち |
合併症 | 出血、再狭窄、腎機能低下 | 出血、バイパス閉塞 |
血管に針をさし、カテーテルという管を血管内に挿入します。ガイドワイヤーという細い針金を病変部に通過させ、それに沿わせて、バルーンを持ち込んで、狭い病変を拡張します。再狭窄を予防するためにステントを留置したり、薬剤を表面に塗布したバルーンで血管に薬剤を塗布したりします。ステントを留置した際には、再度バルーンで拡張して、形を整えて治療を終了します。血管に通したカテーテル分の傷しか残らないため、低侵襲です。
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通常型のステントのほかに、免疫抑制剤を塗布したステント、人工内皮で覆われたステントグラフトなど、病変の部位や性状等にあわせ、適切なステントを使用して、再狭窄を予防します。
風船の表面に免疫抑制剤が塗布されており、血管の内側に塗ることで再狭窄を低減します。
当科では、カテーテル治療にあたり、最新の知見を取り入れて、他職種と連携しながら、個々の患者さんに適した治療を選択しています。
兵庫県立姫路循環器病センターでは早期から上記の新規治療を導入してきました。高齢化社会に伴って増加してきた大動脈弁狭窄症に対するTAVIは通算で400例を超えました。
また施行施設が限定されている僧帽弁閉鎖不全症に対するMitraClipについても、すでに100例に達しています。さらに最近、卵円孔開存症に対する卵円孔閉鎖術や心房細動症例の 脳梗塞予防のためのWATCHMANも開始しました。
(写真提供:エドワーズライフサイエンス(株)・アボットジャパン(同)・ボストンサイエンティフィックジャパン(株))
大動脈弁狭窄症とは、⼼臓弁膜症のひとつで、石灰化により心臓と大動脈を隔てる弁が開きにくくなることで全身に血液を送り出しにくくなり、血液がうっ滞してしまう病気です。その症状は、加齢に伴うものと誤解されることが多く、未治療のまま病状が進行して、重症になって初めて気づかれる患者さんが多いです。重症になると胸の痛みや失神、息切れ(心不全)などの症状が現れ、予後不良の病気です。
一般的な生命予後は、狭心症が現れると5年、失神が現れると3年、そして心不全の場合は2年といわれており、突然死の危険性も伴います。大動脈弁狭窄症は進行性の病気で、徐々に悪化します。たとえ症状がなかったとしても、重症になった時点で治療介入を行った方が、生命予後が改善するという報告もあります。
保存的治療、外科的治療、カテーテルを用いた治療(TAVI)の3つがあります。
当院では、日本循環器病学会の弁膜症治療ガイドラインを参考にして、年齢のおおまかな目安として、75歳未満の患者さんでは外科的治療を(心臓血管外科が担当)、80歳以上の患者さんに対してはTAVIを第一選択としています。最終的には個々の患者さんにおいて、それぞれの治療法のリスクや患者さんの希望に応じて,ハートチームカンファレンスでディスカッションした上で、治療法を決定しています。以下にそれぞれの治療法について記します。
薬で症状を緩和し,心臓にかかる負担を取り除きます。ただし,⼤動脈弁狭窄症は自然治癒する病気ではありません。保存的治療は弁そのものを治すわけではありませんので,病状は徐々に進行します。
人工心肺装置を用いて,心臓を止めた上で、胸を開いて外科的に弁を置換します。TAVIと比べて侵襲度が高いことから入院期間は長くなりますが、長年の治療経験から長期成績が確立された治療法です。若年で、手術のリスクが低い患者さんが対象となります。
「TAVI(タビ)」とはTranscatheter Aortic Valve Implantationの略で,経カテーテル的大動脈弁植え込み術のことです。胸を開くことなく,また心臓を止めることなく,カテーテルを用いて、患者さんの心臓に人工弁を留置する方法です。人工心肺を使用しなくてすむことから,患者さんの体への負担が少なく,入院期間が短いことが特徴です。高齢で体力が低下している患者さんや開胸での手術に対してリスクを有する患者さんでも実施可能な治療法です。そのような患者さんにおいては、外科的手術よりもTAVIの方が生命予後を改善させるという報告があります。
当初は外科的治療が不可能な患者さん、もしくは外科的手術のリスクが高い患者さんがTAVIの対象でしたが、最近になり手術リスクが低い患者さんにおいても、外科的手術に比べて成績が劣らないことが報告されるようになってきました。わが国では2013年にTAVIが保険適用となり、30日死亡率は2%以下と、海外と比べても良好な成績を挙げています。当院では、2022年10月の時点で、470件のTAVIを実施、豊富な実績を有しています。
卵円孔は生まれつき存在する心臓内の小さな穴で、4人に1人が開存していると言われています[右図: 卵円孔開存症(PFO)]。通常は、卵円孔開存を有していても特に問題ありません。しかし、状況によって血流が通常とは逆向き(右心房から左心房)に流れてしまう患者さんがおられ、なんらかのきっかけで生じた静脈内の血の塊(血栓)が卵円孔を通って右心房から左心房へ移動し、脳の血管に詰まること(脳梗塞)があります。こういった機序で生じる脳梗塞を奇異性脳塞栓症と呼びます。
経カテーテル的卵円孔閉鎖術(PFO閉鎖術)は、カテーテルを用いて2枚のディスクで形成された閉鎖栓を卵円孔に留置して、閉鎖する治療です。本治療の卵円孔を介した奇異性脳塞栓症の再発抑制に対する有効性が証明されており、本邦でも保険診療が開始されています。本治療は厳格な施設基準を満たした施設のみで施行可能であり、2021年より当院でも施行できるようになりました。また、新たにブレインハートチームを結成(脳神経内科と当科で)することで、本疾患の治療方針・その後のケアを慎重に行っています。
卵円孔開存に対するカテーテルを用いた閉鎖術は、以下の項目に該当する方が対象になります。
主に全身麻酔で、足のつけ根(鼠経)の静脈からカテーテルを挿入します。右心房から左心房へ、卵円孔を介してカテーテルを挿入し、閉鎖栓を留置します[右図]。留置後は、表面が徐々に内膜におおわれ、3か月ほどで被膜化されます。これによって、脳梗塞の再発リスクを低減させるとともに、抗凝固剤や抗血小板剤を終了することが考慮できるようになる治療です。
たかや ともふみ
高谷 具史
診療科長・心臓血管センター次長・臨床工学課長
【専門領域】
冠動脈インターベンション・循環器画像診断
【学会専門医・認定医・その他】
日本内科学会総合内科専門医 日本内科学会近畿支部評議員 日本循環器学会循環器専門医・社員 FJCS/Fellow of Japanese Circulation Society 日本循環器学会近畿支部評議員 日本心血管インターベンション学会 心血管カテーテル治療専門医・代議員 ・施設代表医 神戸大学大学院医学研究科循環器高度医療 探索学部門客員准教授
かわい ひろや
川合 宏哉
副院長・心臓血管センター長・部長(内科統括担当)
【専門領域】
心エコー図学・心不全
【学会専門医・認定医・その他】
日本内科学会近畿支部評議員・認定総合内科専門医 日本循環器学会近畿支部評議員・認定循環器専門医・FJCS会員 日本心エコー図学会理事・認定心エコー図専門医 日本心臓病学会代議員・特別正会員・日本心臓弁膜症学会世話人 日本超音波医学会代議員・認定超音波専門医・認定超音波指導医 日本心不全学会代議員 日本核医学会評議員・日本心臓核医学会評議員 神戸大学大学院医学研究科循環器高度医療 探索学部門客員教授
しまね あきら
嶋根 章
循環器内科部長
【専門領域】
不整脈
【学会専門医・認定医・その他】
日本内科学会認定総合内科専門医 日本循環器学会認定循環器専門医 日本不整脈心電学会認定不整脈専門医 植込み型除細動器・心不全に対するペーシング治療資格医 エキシマレーザーリードエクストラクショントレーニング修了 クックメディカルリードマネジメントトレーニングプログラム修了 MICRA植込み資格医
おおにし てつあり
大西 哲存
循環器内科部長・超音波センター長
【専門領域】
心エコー図学・構造的心疾患(SHD)/心不全
【学会専門医・認定医・その他】
日本内科学会認定総合内科専門医 日本循環器学会認定循環器専門医 日本超音波医学会認定超音波専門医・指導医 日本心エコー図学会認定心エコー図専門医・SHD 心エコー図認証医 経皮的僧帽弁接合不全修復システム(MitraClip)Training Faculty 米国心エコー図専門医認定試験合格証取得 ( ASCeXAM) 日本心臓リハビリテーション学会 心臓リハビリテーション指導士
つきしろ やすえ
月城 泰栄
循環器内科部長
【専門領域】
心エコー図学・成人先天性心疾患
【学会専門医・認定医・その他】
日本内科学会認定総合内科専門医 日本循環器学会認定循環器専門医 日本超音波医学会認定超音波専門医・指導医 成人先天性心疾患専門医施設指導責任者
よこい きみのぶ
横井 公宣
循環器内科部長
【専門領域】
不整脈・冠動脈インターベンション
【学会専門医・認定医・その他】
日本内科学会総合内科専門医・指導医 日本循環器学会循環器専門医 日本不整脈心電図学会不整脈専門医 日本心血管インターベンション学会 心血管カテーテル治療認定医 日本心臓リハビリテーション学会 心臓リハビリテーション指導士
いとう みつあき
伊藤 光哲
【専門領域】
不整脈
【学会専門医・認定医・その他】
日本内科学会総合内科専門医 日本循環器学会循環器専門医 日本不整脈心電学会不整脈専門医 植込み型除細動器・心不全に対するペーシング治療資格医
いのうえ ともひろ
井上 智裕
【専門領域】
冠動脈インターベンション・循環器画像診断
【学会専門医・認定医・その他】
日本内科学会認定内科医 日本内科学会総合内科専門医 日本循環器学会 循環器専門医
いまむら きみたけ
今村 公威
【専門領域】
不整脈
【学会専門医・認定医・その他】
日本内科学会総合内科専門医 日本循環器学会循環器専門医 日本不整脈心電学会不整脈専門医 植込み型除細動器・心不全に対するペーシング治療資格医
おおいし しょうご
大石 醒悟
【専門領域】
冠動脈インターベンション・難治性心不全
【学会専門医・認定医・その他】
日本循環器学会循環器専門医 日本内科学会総合内科専門医 日本心血管インターベンション学会 心血管カテーテル治療専門医 植え込み型補助人工心臓管理医 日本緩和医療学会認定医 日本心臓リハビリテーション学会 心臓リハビリテーション指導士 日本心不全学会緩和ケア推進委員会委員
きぬたに ひろと
絹谷 洋人
【専門領域】
冠動脈インターベンション・肺高血圧症
【学会専門医・認定医・その他】
日本内科学会認定内科医 日本内科学会総合内科専門医 日本循環器学会循環器専門医
たかはし はちだい
高橋 八大
【専門領域】
冠動脈インターベンション・心不全
【学会専門医・認定医・その他】
日本内科学会認定内科医 日本内科学会総合内科専門医 日本循環器学会循環器専門医
みやた たいし
宮田 大嗣
【専門領域】
冠動脈インターベンション・心不全末梢血管インターベンション
【学会専門医・認定医・その他】
日本内科学会総合内科医 日本内科学会総合内科専門医 日本循環器学会循環器専門医 日本心血管インターベンション学会 心血管カテーテル治療専門医
たかはし のぶゆき
髙橋 伸幸
【専門領域】
SHD (Structural Heart Disease) ・冠動脈インターベンション
【学会専門医・認定医・その他】
日本内科学会認定内科医 日本循環器学会循環器専門医 日本経カテーテル心臓弁治療学会(JTVT) TAVR指導医 (SAPIEN/CoreValve) 経皮的僧帽弁接合不全修復システム(MitraClip)プロクター 左心耳閉鎖術(WATCHMAN)実施医 経皮的卵円孔開存(PFO)閉鎖術研修プログラム受講終了
いちぼり ひろとし
市堀 博俊
【専門領域】
不整脈
【学会専門医・認定医・その他】
日本内科学会内科認定医 日本循環器学会循環器専門医 日本不整脈心電学会不整脈専門医 植込み型除細動器・心不全に対するペーシング治療資格医
つきやま よしろう
築山 義朗
【専門領域】
冠動脈/末梢血管インターベンション・SHD (Structural Heart Disease)
【学会専門医・認定医・その他】
日本内科学会認定内科医 日本内科学会総合内科専門医 日本循環器学会循環器専門医 日本心血管インターベンション学会 心血管カテーテル治療認定医 日本経カテーテル心臓弁治療学会(JTVT)TAVR実施医
やまもと ひろゆき
山本 裕之
【専門領域】
冠動脈インターベンション ・構造的心疾患インターベンション(SHD)
【学会専門医・認定医・その他】
日本内科学会認定内科医・指導医 日本内科学会総合内科専門医 日本循環器学会 循環器専門医 日本心血管インターベンション学会 心血管カテーテル治療認定医・専門医 臨床研修指導医 日本内科学会認定産業医 経皮的卵円孔(PFO)閉鎖術認定医・MitraClip実施医・Watchman実施医 難病指定医
なかの しんすけ
中野 槙介
【専門領域】
冠動脈インターベンション・末梢血管インターベンション
【学会専門医・認定医・その他】
日本内科学会認定内科医 日本循環器学会循環器専門医 日本心血管インターベンション学会 心血管カテーテル治療認定医
まつお こうき
松尾 晃樹
【専門領域】
冠動脈インターベンション・心不全
【学会専門医・認定医・その他】
日本内科学会認定内科医 日本循環器学会循環器専門医 日本心血管インターベンション学会 心血管カテーテル治療認定医
つなもと ひろし
綱本 浩志
【専門領域】
構造的心疾患インターベンション(SHD) ・冠動脈インターベンション
【学会専門医・認定医・その他】
日本内科学会認定内科医 日本循環器学会循環器専門医 日本心血管インターベンション学会 心血管カテーテル治療認定医 日本経カテーテル心臓弁治療学会(JTVT)TAVR指導医 経皮的僧帽弁接合不全修復システム(MitraClip)Training Faculty 米国心エコー図専門医認定試験 合格証取得(ASCeXAM) SHD心エコー図認定医 日本周術期経食道心エコー認定医(JBPOT)
ふじい まさよし
藤井 政佳
【専門領域】
冠動脈インターベンション・心不全
ますもと あきこ
舛本 慧子
専攻医
【専門領域】
SHD (Structural Heart Disease) ・心臓超音波
【学会専門医・認定医・その他】
日本内科学会内科専門医
よしだ ちあき
吉田 千晃
専攻医
【専門領域】
冠動脈インターベンション・循環器画像診断
【学会専門医・認定医・その他】
日本内科学会内科専門医
わたなべ のぶひろ
渡邊 信寛
専攻医
【専門領域】
冠動脈インターベンション・末梢血管インターベンション
つかもと しょうた
塚本 祥太
専攻医
【専門領域】
不整脈
さいとう たかゆき
齊藤 貴之
専攻医
【専門領域】
冠動脈インターベンション・末梢血管インターベンション
にしむら ゆうた
西村 侑太
専攻医
【専門領域】
冠動脈インターベンション
なかむら まさし
中村 匡志
専攻医
2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | |
---|---|---|---|---|---|---|
経食道心エコー図検査 | 420 | 618 | 610 | 606 | 635 | 680 |
運動負荷心電図 | 1,242 | 1,275 | 1,241 | 1,265 | 925 | 727 |
冠動脈CT | 906 | 787 | 836 | 846 | 799 | 749 |
負荷心筋血流シンチ | 1,596 | 1,762 | 1,951 | 1,943 | 1,777 | 1,796 |
冠動脈造影(CAG) | 1,120 | 1,466 | 1,182 | 1,184 | 1,319 | 1,197 |
2016年 | 2017年 | 2018年 | 2019年 | 2020年 | 2021年 | |
---|---|---|---|---|---|---|
経皮的冠動脈形成術(PCI) | 630 | 672 | 602 | 659 | 769 | 670 |
うち心筋梗塞 | 191 | 204 | 170 | 178 | 225 | 173 |
経皮的末梢動脈形成術(PPI) | 90 | 85 | 107 | 114 | 139 | 120 |
経カテーテル的大動脈弁留置術(TAVI) | 31 | 59 | 57 | 50 | 84 | 91 |
経皮的僧帽弁形成術(MitraClip) | - | - | 6 | 21 | 40 | 39 |
不整脈アブレーション | 288 | 358 | 361 | 368 | 368 | 408 |
うち心房細動 | 164 | 236 | 262 | 268 | 260 | 282 |
ペースメーカー | 212 | 157 | 180 | 142 | 181 | 197 |
植込型除細動器(ICD) | 44 | 33 | 33 | 33 | 25 | 22 |
CRT-P, CRT-D | 22 | 44 | 27 | 24 | 24 | 36 |
心臓リハビリ 新規患者 | 1,043 | 1,137 | 1,116 | 1,266 | 1,371 | 1257 |
心臓リハビリ 延べ件数 | 12,403 | 12,630 | 13,852 | 14,526 | 15,657 | 17,166 |
緩和ケア | - | 91 | 84 | 91 | 82 | 92 |
当科では、ともに地域を支えていただける若い先生方を募集しています。当科の売りは、下記のようにいくつもあります。一緒に頑張ってみませんか?最近のOBの先生方に在籍時に学んだことや、研修の感想について、コメントをいただきましたので、以下に紹介します。
姫循では非常に多くの循環器疾患の臨床経験と学会発表の経験を積むことが出来ました。各分野のエキスパートの先生がおられ、一流の治療を学ぶことができました。また、研修に来る専攻医は意識が高く、上を目指す意欲の高いメンバーであり、互いに刺激を受けながら切磋琢磨することが出来ました。
重症心不全患者の集中治療や、冠動脈疾患及び不整脈疾患のカテーテル治療などの幅広い臨床経験を積みながら、学会発表にも多く参加させて頂くことができ、循環器疾患の知識・技術を得ることが出来ました。
自治医科大学を卒業し、義務年限内の県養成医として自由に研修できる2年間に以下のことを実現できる研修先を考えていました。
さまざまな病院での研修を悩みましたが、症例数の豊富な姫循に決めました。結果としてこの選択は大成功でした。
初めの1年は元々興味のあった虚血性心疾患に対するインターベンションだけではなく、今まで勉強することの少なかった不整脈グループもローテーションさせていただき、循環器診療全般の専門的知識を勉強できました。
2年目はカテーテル治療を中心に勉強させていただくという形で非常に柔軟な自分の希望に沿った研修をさせていただくことができました。緊急カテーテル治療の件数が多く、緊急治療は若手医師が中堅医師のサポート下に任されるため、2年で150症例程度、非常に多くの治療を経験することができました。そして、高度複雑病変の治療については、エキスパートの先生の治療を学ぶことができ、どの病院に行っても通用するようなカテーテル治療の考え方を学ぶことができます。
また、2年間を通して常にCCU、一般病棟含めた多数の患者さんを受持させていただき、重症心不全患者の管理やSHDの治療など、今まで自分が紹介していたような患者に対する治療をとてもたくさん経験することができ非常に自分の診療レベルを上げることができました。学会発表や論文作成など、ほとんど経験のなかった学術活動についても一から丁寧に諸先輩方からご指導を受けることができ、研究の進め方、解析の方法など細かく学ぶことができました。実際にコロナ以前でしたので海外の大きな学会での発表も経験でき、case report, original articleいずれも2年間で作成することができました。上司、同期、後輩ともに非常に尊敬できる方ばかりで切磋琢磨しながら、また困った時には何でも相談できる環境だと思います。また仕事以外でも仲良くしていただき、たくさんの繋がりを得ることができたことも姫路で働いたからこそだと感じています。
姫循を卒業した後、地域の中核病院に戻りましたが、循環器診療の底上げができたのではないかと感じており、今後の自分のことを考えながらたくさんの機会を与えていただいた姫循には本当に感謝しております。やる気があれば何でも可能にしてくれる病院だと思います。みなさんぜひ一度姫路で勉強してみてください。
姫循での研修は、本当に充実した日々でした。県内では圧倒的に多くのカテーテル症例があり、毎朝のカンファで全症例じっくり方針を相談した上でカテに入ることができました。さらにストラクチャー治療も多く、数多くの治療を経験しました。主治医は一人という制度でしたので、責任は大きかったですがやりがいも大きかったです。もちろん治療方針は一人で抱え込む訳ではなく、気軽に相談することができました。
OBになって感じているのは、姫循は医師、コメディカル含めて非常に臨床能力が高く、臨床的な経験やセンス、勘みたいなものを磨くのには最高の施設だと思います。それだけでなく、学術活動も盛んで、素敵な上級医が熱心に指導してくれます。私自身も複数の学会発表や論文作成が出来ましたし、何より周りの先生のおかげで臨床経験だけでなくリサーチマインドを得ました。
このような盛り沢山の経験ができる施設ですが、先生方は皆気さくで良い人ばかりで、若手医師も仲良く仕事をしています。また姫循での出会いというのはかけがえのないものであり、今も、これからの医師人生でも、宝物になると思っています。
当科では以前より独自の臨床研究、症例報告に加えて、神戸大学との共同研究や全国規模の臨床試験や治験に積極的に参加してきました。また、学会活動に加え、論文作成にも励んでいます。最近では専攻医の先生方に積極的にCase reportを書いていただいています。
論文発表年