放射線治療科

放射線治療科診療科・部門・センター

お知らせ

  • 2023.01.19
    はり姫では緩和的放射線治療にも力を入れています。医療機関向けの電話相談窓口も設置しました。
    詳細は「治療法について」のタブよりご覧ください。

診療科の概要

放射線療法は手術療法や薬物療法とならぶ「がん治療の三本柱」の一つです。あらゆる悪性腫瘍を対象とし、腫瘍の種類や治療目的によって、放射線療法単独で治療する場合や、各診療科と協働し手術や薬物療法と組み合わせて治療する場合があります。当院では、高精度放射線治療が可能な2台のリニアック(外照射装置)を備え、患者さんの病状に最適なきめ細やかな治療を提供します。

近年「がんと共に生きる」という考え方が広まるに伴い、根治治療後のフォローの必要性が高まっているとともに、根治困難な患者さんには、緩和ケアを含めたシームレスな治療が重要となっております。当科では患者さんのお気持ちや生活を尊重し、一人一人に寄り添った丁寧な診療を提供します。

放射線治療の依頼に限らず、「悪性腫瘍の治療方針に迷っている」「いろいろな治療選択肢について相談してみたい」「放射線治療の説明だけでも聞いてみたい」という患者さんにも、集学的治療の視点からお力になれると思いますので、ご紹介くだされば幸いです。

主要対象疾患

  • 脳腫がん、頭頸部がん、乳がん、肺がん、食道がん、消化器がん、前立腺がん、悪性リンパ腫、皮膚がんなどあらゆる悪性腫瘍を対象としています。
  • 根治照射から緩和照射まで対応可能です。とくに緩和照射は1〜数回の治療で完結します。
  • 定位放射線治療、強度変調放射線治療など最新の治療が可能です。
  • 治療は外来通院で可能ですが、入院を希望される場合は相談させていただきます。

トピックス

当院に導入されている放射線治療装置は、あらゆる部位の腫瘍に対し高精度な照射が可能で、定位放射線治療や強度変調放射線治療によって高い根治性と低侵襲性を両立した治療を行うことが可能です。

スタッフ紹介

  • 余田 栄作

    よでん えいさく

    余田 栄作

    診療科長

    【専門領域】

    放射線治療全般・緩和ケア

    【学会専門医・認定医・その他】

    日本医学放射線学会 日本放射線腫瘍学会放射線治療専門医 日本がん治療認定医機構がん治療認定医 日本乳癌学会乳腺認定医 日本医学放射線学会研修指導者 臨床研修指導医

  • 井上 由子

    いのうえ ゆうこ

    井上 由子

    【専門領域】

    放射線治療全般

    【学会専門医・認定医・その他】

    日本医学放射線学会 日本放射線腫瘍学会放射線治療専門医

地域医療機関の先生方へ

放射線療法の適応は、根治照射、術前術後の補助療法、薬物療法との併用、あるいは緩和照射など、実に多岐にわたります。

「放射線治療の適応があるかどうか分からない」「何か良い治療法はないか」「どこに相談したらいいか分からない」という場合でも、がん相談窓口として当科を大いに利用していただければありがたいと考えています。

より多くの患者さんが放射線療法の恩恵を享受されることを願っておりますが、それ以上に、放射線療法だけに拘ることなく各診療科とも協働で集学的かつ中立的な、患者さんファーストのご提案をさせていただきます。どうぞお気軽にお声かけくだされば幸いに存じます。

緩和的放射線治療をご存じですか?

- 緩和的放射線治療は -

  • がんによる様々な症状に有効です。
  • 副作⽤はほとんどありません。
  • 1回の受診ですべての治療を終了できる場合もあります(⼊院は不要です)。

適応があるか不明の場合でも、ぜひお声がけください。
患者さんやご家族の希望を伺い、より良い選択肢を検討・提案いたします。
医療機関からは受診前に電話での相談もお受けいたします。

余田 栄作

放射線治療を担当させていただく中で、⽇頃から強く感じていること、それは緩和的放射線治療が⼗分に⾏き渡っていないという⻭がゆい現実です。放射線治療は根治⽬的でも緩和⽬的でも⾏われる治療ですが、照射する放射線の量、副作⽤(有害事象)の頻度・程度、治療期間などは、治療の⽬的によって全く異なります。緩和的放射線治療は⾝体的にも時間的にも⾮常に負担の少ない治療であり、「苦痛の緩和を⽬指す」「QOL を⼤切にする」という緩和医療、緩和ケアの考えに寄り添った治療選択肢です。⼀⼈でも多くの患者さんに緩和的放射線治療が⾏き届くよう、本コラムがお役に⽴てば幸いです。

放射線治療科 余田 栄作

根治的放射線治療と緩和的放射線治療

放射線治療はがん治療の柱のひとつで、治療の目的によって、⼤きく「根治的放射線治療」と「緩和的放射線治療」とに分けられます。

根治的放射線治療

根治的放射線治療とは、文字どおり根治(がんの根絶)を狙って行われる治療で、化学療法と併用したり手術と組み合わせたりして、できるだけ完治の確率を高めることを目指します。「がんの部位や大きさなどが手術に向かない」「手術だけでは完治が難しい」「手術は可能だが放射線治療の方が身体の負担が小さい」「合併症や高齢のため手術は勧めにくい(患者さんが希望しない)」といった場合に、根治的放射線治療をお勧めすることが多いです。

根治的放射線治療では、がんの治癒を最優先に考えるため、時にはある程度の副作用を覚悟する必要があります。どの治療(手術、薬物療法、放射線治療)にもそれぞれ長所と短所がありますので、一人一人の患者さんが「自分にとっての」最善の選択をすることが重要と考えています。そのためには、どの治療を受けるかを決める前に、それぞれの治療の専門医から詳しい説明を直接聞いてみることをお勧めしています。

緩和的放射線治療

いっぽう、緩和的放射線治療とは、がんによる様々な症状を緩和する目的で行われる治療で、治療による副作用ができるだけ起こらないよう十分配慮した上で実施されます。痛みを和らげるための治療が辛い症状を引き起こしたのでは意味がありませんし、実際、ほとんどの場合は副作用を感じることなく治療が終了します。治療は治療寝台の上に寝転んでいるだけで、「いつ始まって、いつ終わったのかも分からない」うちに5~10分程度で終わります。入院の必要はなく、治療期間は1日~2週間(1日1回で、計1回~10回)程度です。

一度放射線治療科の外来へ足を運んでいただければ、その1日で治療が完結できる場合もありますので、「遠くの病院に通うのは難しい」「入院はしたくない」という患者さんに対しても、ご提案が可能な治療と思います。また、放射線治療はけっして最後の手段ではありません。苦痛のため通院も難しいという状況になってからではなく、QOLの良い段階で、QOLを維持できる治療として放射線治療で先手を打つことも視野に入れておきたいところです。

さらに、放射線にはがん細胞を死滅させる効果がありますので、症状緩和を目的とする対症療法でありながら、実は症状に対する原因療法でもあります。腫瘍が縮小することによってはじめて症状が緩和される病態(腫瘍による狭窄、圧迫、出血など)には特に有用ですので、薬物療法でコントロールし難いこれらの症状でお困りの患者さんには、ぜひ検討していただければと思います。局所の症状緩和だけでなく全身状態の改善につながる場合もあります。

緩和医療、緩和ケアのひとつの武器として、早期からの放射線治療を常に選択肢に入れておいていただければと思います。

緩和的放射線治療のご紹介の流れ

緩和的放射線治療が有用な場面

緩和的放射線治療の例を示します。
※効果は確約されていませんが、例としてわかりやすく表現しています。

腫瘍による病態・症状 放射線治療で期待できる効果
骨転移による 痛み 痛みが軽快した(鎮痛薬が不要になった)
病的骨折のリスク 骨折せずに済んだ
脊髄圧迫 麻痺やしびれが改善し歩行可能になった
麻痺が起こらずに済んだ
神経圧迫・浸潤による 神経障害性疼痛 しびれや痛みが軽快した
後腹膜病変(腫瘍浸潤)や
悪性腸腰筋症候群による
疼痛 疼痛が軽快した
脳転移による 中枢神経症状 症状が軽快しADLが向上した
中枢気道圧迫・浸潤による 呼吸困難、喘鳴 呼吸が楽になった
食道がんによる 通過障害 口から食べられるようになった
胃がんによる 通過障害 口から食べられるようになった
嘔吐がなくなった
腸病変や腹膜病変(播種)による 閉塞性イレウス イレウスが解除された
膵頭部・肝門部病変による 閉塞性黄疸 黄疸が軽快した
縦隔病変による 上大静脈症候群 浮腫や呼吸困難が軽快した
骨盤内病変による 下肢浮腫 浮腫が軽快した
胃がんからの 出血 止血が得られた、輸血が不要になった
皮膚病変による 浸出液・出血・悪臭 浸出液・出血・悪臭が軽快した
子宮や膀胱からの 出血 止血が得られた
体表病変による 美容的愁訴 気にならなくなった

当科にご相談いただくタイミング

患者さんにとって適切な治療を一緒に考えたいと思います。まずはご連絡ください。

がんによる症状でお困りの患者さんや、今すぐは困っていなくても今後の症状出現が危惧される患者さんがいらっしゃれば、まずはメールでもお電話でもご連絡ください。適応があるかどうか、相談させていただきます。放射線治療は即効性がない場合もあり、また病変が小さい方が効果は得られやすいですので、症状出現が予想される場合には早い段階から治療を考慮していただくのが良いと思います。適切な治療タイミングも含めて、まず当科にご連絡いただいた上で、一緒に考えていきたいと思います。

積極的な治療を行わない(希望されない)患者さんでも、少ない負担でQOLが向上するのであれば、治療を受けてみたいという方が多いのではないでしょうか。放射線治療は辛い治療だと誤解していたり、漠然とした恐怖感を持ったりされている方も多くいらっしゃいますが、最初から「適応がない」「受けるつもりはない」と決めつけるのは得策とは言えません。緩和的放射線治療は負担の少ない、からだにやさしい治療です。一度説明だけ聞いてみたいという患者さんのご紹介も歓迎いたします。

Q&A(患者さん向け)

  • 放射線治療を受けると、体力が落ちませんか?

    緩和的放射線治療では身体に負担をかけないことを優先します。治療を受けても体力が落ちる心配はなく、生活上の制限などもありません。

  • どんながんにも効きますか?効果は必ずありますか?

    残念ながら、全ての患者さんに効果があるとは約束できません。病状によっても違いますので、メリット・デメリットを相談した上で、治療を受けるかどうか一緒に考えていければと思います。

  • 適応があるかどうか分からないのですが、受診してもいいですか?
    他の病院で放射線治療の適応はないと言われましたが、受診してもいいですか?

    もちろん受診していただいてけっこうです。放射線治療の目的(治療することのメリットは何か)をどう考えるかによって、適応の判断が変わることがあります。病状はもちろん、治療に対するご希望を詳しくお伺いした上で、最適な方法を考えさせていただきます。

  • 紹介状がなくても受診できますか?

    主治医(かかりつけ)の先生からの紹介状が必要です。

お問い合わせ先(医療関係者向け)

メールでご連絡くだされば、折り返し直通の相談窓口(電話番号)をお伝えすることも可能です。
なお、患者さんからの個別のご相談には原則お答えできませんのでご了承ください。

放射線治療科 余田 栄作(緩和ケアチーム)
メールアドレス:

調べる

TOP

調べる