われわれ“はり姫”形成外科は、頭蓋顎顔面領域の外傷・先天性疾患、マイクロサージャリーを用いた各種再建外科・手外傷の治療を得意としています。
頭蓋顎顔面領域の骨折は、受傷後まもない新鮮顔面骨折の治療だけでなく、受傷初期に治療を行えなかったり不十分な治療が行われた結果、顔面の変形や機能障害が残ってしまった顔面の変形治癒骨折に対しても、積極的に治療を行っています。また、口唇裂・口蓋裂など、頭部顔面の生まれつきの変形や機能障害に対しても治療を行います。
再建外科領域では、頭頸部癌手術後の再建、乳がん手術後の乳房再建、顔面神経麻痺の再建、リンパ浮腫などに対する治療を行っています。これらの治療を行うにあたっては、主にマイクロサージャリーの手術を行っています。
形成外科は診療の対象となる臓器、疾患が多岐にわたるため、他の診療科に比べると受診の判断に悩まれることが多いかもしれません。また、一部の疾患は専門性が高く、すべての形成外科医が診療できないものもあります。そこで、乳房再建、顔面神経麻痺、リンパ浮腫、小児形成外科、眼瞼疾患(まぶた外来)については専門外来を設置しました。また、糖尿病性足潰瘍などの足病変に対するフットケア外来もこれまでと同様に続けて参ります。
“はり姫”形成外科では、この度、病院内の倫理委員会の承認のもと、“赤ちゃんの頭の形外来”を開設しました。生後間もない赤ちゃんの頭の形の変形(変形性斜頭、変形性短頭といいます)の治療については、日本国内でも関心が高まっており、全国の大学病院をはじめとする総合病院で診療が行われるようになってきました。また、首都圏では専門のクリニックも開設されています。“はり姫”でも、地域の皆様にできるだけ最新の治療を適用できるように、当外来を開始致しました。
“はりま姫路”圏域では、上記の専門外来が対象とする症状、疾患に対する治療を行う施設は多くはありません。これらの専門外来の開設により地域の皆様のお役に立てれば幸いと考えております。
“はり姫”形成外科は、診療科長以下常勤医師5名で週5日の外来診療、週4日の全身麻酔手術、週3日の局所麻酔手術を行っております。形成外科が関わる症状、疾患でお悩みの方は、紹介状を持参の上受診を頂きますようお願い致します。
※専門外来による診療を行います
3Dプリンターの活用
頭蓋顎顔面領域の疾患の治療計画をたてる際手術手技の向上や手術時間の短縮のため、院内で作成した3Dモデルを利用します。
変形性斜頭・短頭といった、赤ちゃんの頭の形の変形について、指導やヘルメットによる矯正治療を行います。
(写真:株式会社メディカルユーアンドエイ提供)
おがわ はるお
小川 晴生
診療科長
【専門領域】
頭蓋顔面外科・マイクロサージャリーを用いた再建外科
【学会専門医・認定医・その他】
日本専門医機構形成外科専門医 日本形成外科学会領域指導医 再建・マイクロサージャリー専門医 皮膚腫瘍外科指導専門医 創傷外科専門医 医学博士 臨床研修指導医(VHJ機構) 実用フランス語技能検定試験2級 がん等の診療に携わる医師等に対する緩和ケア研修会修了
かじた さとる
梶田 智
【専門領域】
創傷外科・難治性潰瘍
【学会専門医・認定医・その他】
日本専門医機構形成外科専門医 日本創傷外科学創傷外科会専門医 がん等の診療に携わる医師等に対する緩和ケア研修会修了
まつば ひろみ
松葉 啓文
【専門領域】
眼瞼下垂、眼瞼内反など眼瞼形成外科・手外傷
【学会専門医・認定医・その他】
日本専門医機構形成外科専門医 がん等の診療に携わる医師等に対する緩和ケア研修会修了
うやま のぞみ
宇山 望
専攻医
【専門領域】
形成外科一般
わたなべ はるか
渡邊 陽香
専攻医
【学会専門医・認定医・その他】
がん等の診療に携わる医師等に対する緩和ケア研修会修了
兵庫県立姫路循環器病センターと製鉄記念病院の2病院の形成外科が合併し、「はり姫」形成外科となります。これまでの地域の医療機関の先生方との関係を引き継ぎ診療にあたらせて頂きますので、安心して患者様をご紹介下さい。また、神戸大学医学部附属病院形成外科の最大の関連施設として、高い志を持ちつつ、地に足のついた診療を行なっていきます。今後ともどうぞ宜しくお願い申し上げます。