当院では、子宮筋腫に対して子宮を温存したい方・手術以外の選択肢を希望される方に向けて、お腹を切らない子宮動脈塞栓術(UAE)を提供しています。本邦では2014年に保険適用となった比較的新しい治療法で、欧米では標準治療として広く行われています。
当科では現在、常勤医9名、非常勤2名が在籍しています。4名がIVR指導医の資格を有しており、はりま姫路地域で最も人材が多い施設となっています。24時間体制でカテーテル治療を行える体制をとっています。年間の手術件数は兵庫県の県立病院では開院以1位を維持しており、兵庫県下の全病院で5-6位となっています。
外来業務は月午前、火午前・午後、木午前に通常の外来診療を行っています。また不定期ですが水、金午前にCVポート埋め込み外来を行っています。
画像診断装置を用いた治療(IVR)は下肢閉塞性動脈硬化症に対する血管形成術や心臓血管外科とともに急性動脈閉塞に対する治療を中心に種々のIVR治療を行っています。
2024年からは子宮筋腫に対する子宮動脈塞栓術を開始し、年間約10件前後を行っています。また動脈硬化性上腸間膜動脈狭窄に対する非造影MRIによる血流評価ならびにステント留置術も積極的に行っています。2025年からは消化器内科と共同で進行肝細胞がんに対する一時的動注リザーバー留置術も行っています。
新しい試みとして昨年から腹部臓器の動静脈奇形の塞栓術も開始しています。特に腹部動静脈奇形は治療に難渋することが多いですが、新しい技術、手法を用いた治療を行っており症例を蓄積しています。これまで肺の動静脈奇形の治療は数多く経験しておりますが、さらに腹部領域の動静脈奇形の患者さんをご紹介していただけると幸いです。
使用装置としてはバイプレーン型血管造影装置1台を当科専用として使用していますが、本年度にバイプレーン型IVR-CTでの更新を行う予定です。ハイブリッド手術室では心臓血管外科と共同で血栓除去術や胸腹部大動脈疾患に対するステントグラフト治療、またハイブリッド救急初療室では救急科と共同で主に外傷性出血に対する緊急止血術を行っています。
低侵襲なIVRではありますが、稀に重大な合併症を来す恐れのある治療でもあります。薬物治療や外科的治療についても十分説明し、患者さんとご家族の方に十分に納得して頂いた上で治療に当たるよう心がけております。
下肢閉塞性動脈硬化症におけるステント治療においては、腸骨動脈や浅大腿動脈閉塞病変を有する患者さんに最適な治療を提供できるよう、術前に閉塞血管のMRI検査を行い、術中の遠位塞栓などの合併症が発生するリスクがあるかどうかを予測し、よりリスクの低い治療が行えるようにしています。また、上腸間膜動脈の動脈硬化性狭窄による腹部アンギナが疑われる症例で、経口栄養剤負荷MRIを行いステント治療によって症状が改善するかどうかを予測する研究を行っています。
かわさき りょうた
川﨑 竜太
診療科長・放射線部長
【専門領域】
IVR・画像診断
【学会専門医・認定医・その他】
日本IVR学会専門医 日本医学放射線学会放射線診断専門医 臨床研修指導医 がん等の診療に携わる医師等に対する緩和ケア研修会修了
うおたに けんすけ
魚谷 健祐
放射線診断・IVR科部長
【専門領域】
画像診断・IVR
【学会専門医・認定医・その他】
日本医学放射線学会 放射線診断専門医 日本脈管学会 脈管専門医 日本インターベンショナルラジオロジー学会 IVR専門医 日本ステントグラフト実施基準管理委員会 胸部ステントグラフト指導医・腹部ステントグラフト指導医 難病指定医 医学博士 がん等の診療に携わる医師等に対する緩和ケア研修会修了
なかの ゆみこ
中野 由美子
放射線診断・IVR科部長
【専門領域】
画像診断
【学会専門医・認定医・その他】
日本医学放射線学会放射線診断専門医 日本医学放射線学会研修指導者 日本核医学会専門医・PET核医学認定医 マンモグラフィー読影認定医
こいで ゆたか
小出 裕
放射線診断・IVR科部長
【専門領域】
IVR・画像診断
【学会専門医・認定医・その他】
日本IVR学会専門医 日本医学放射線学会放射線診断専門医 日本救急医学会専門医 がん等の診療に携わる医師等に対する緩和ケア研修会修了
すえなが ゆうこ
末永 裕子
【専門領域】
画像診断
【学会専門医・認定医・その他】
日本医学放射線学会放射線診断専門医 日本核医学会PET核医学認定医 マンモグラフィー読影認定医
たかはし たくや
高橋 拓也
【専門領域】
画像診断・IVR
【学会専門医・認定医・その他】
がん等の診療に携わる医師等に対する緩和ケア研修会修了
たかはし まい
高橋 真依
【専門領域】
画像診断・IVR
【学会専門医・認定医・その他】
がん等の診療に携わる医師等に対する緩和ケア研修会修了
おの ゆみ
小野 有美
【専門領域】
画像診断・IVR
ひきぢ ともひろ
挽地 智裕
専攻医
いまい りょうた
今井 涼太
専攻医
【学会専門医・認定医・その他】
がん等の診療に携わる医師等に対する緩和ケア研修会修了
くずはら れい
葛原 怜
専攻医
| 件数 | ||
|---|---|---|
| 画像診断(読影) | CT | 39,261 |
| MRI | 17,970 | |
| RI(心筋シンチ含む) | 2,993 | |
| PET | 1,081 | |
| IVR | 下肢血管形成術(OTA含む) | 131 |
| 腎動脈、上腸間膜動脈ステント留置 | 16 | |
| PICC・CVポート埋込 | 170 | |
| 生検・ドレナージ | 62 | |
| Fogarty血栓除去、血栓吸引 | 11 | |
| 上腸間膜動脈塞栓吸引療法 | 1 | |
| 緊急止血術 | 89 | |
| 気管支動脈塞栓術(BAE) | 8 | |
| 内臓動脈瘤塞栓術 | 6 | |
| 肺動静脈瘻塞栓術 | 7 | |
| B-RTO | 10 | |
| TACE | 21 | |
| UAE | 10 | |
| HCCに対する一時的動注リザーバー留置 | 18 | |
| その他(EVAR/TEVAR含む) | 263 | |
|
合計 |
823 | |
IVRは他の診療科の先生方と連携して治療を行うことも非常に多いです。特に心臓血管外科、救急科、消化器外科の先生方と蜜に連携し、ひとつの診療科では治療が困難な疾患をIVRの技術を用いて治療できるよう、体制を整えています。
さらにCTやMRIなどのデジタル画像診断においては地域連携の一環として各種画像検査の要請に応じており、検査終了し次第読影することで、患者さんの検査終了から画像ならびに所見の持ち帰りまでの待ち時間が最小限になるよう努力しております。