当科では現在、常勤医9名、非常勤2名が在籍し、うち3名がIVR指導医の資格を有しており、24時間体制でカテーテル治療を行える体制をとっています。
外来業務は月、火、木午前に通常の外来診療を行っていましたが、2024年4月より火曜午後も外来診療を始めています。また不定期ですが、水、金午前にCVポート埋め込み外来を行っています。
画像診断装置を用いた治療 (IVR)は、姫路循環器病センター時代から行っている下肢閉塞性動脈硬化症に対する血管形成術を引き続き行っています。血管系IVRでは、重度石灰化病変を対象とした回転式アテローム切除術システム(jet stream)や上腸間膜動脈塞栓症や急性下肢動脈閉塞症に対する末梢血管用血栓吸引デバイス(Indigo system)といった最新の医療機器が導入されており、より高い治療効果が得られています。また血管系のみならず総合病院化により種々のIVR治療を行っています。バイプレーン型血管造影装置1台を当科専用として使用していますが、ハイブリッド手術室では心臓血管外科と共同で血栓除去術や胸腹部大動脈疾患に対するステントグラフト治療、またハイブリッド救急初療室では救急科と共同で主に外傷性出血に対する緊急止血術を行っています。
低侵襲なIVRではありますが、稀に重大な合併症を来す恐れのある治療でもあります。薬物治療や外科的治療についても十分説明し、患者さんとご家族の方に十分に納得して頂いた上で治療に当たるよう心がけております。
下肢閉塞性動脈硬化症におけるステント治療においては、腸骨動脈や浅大腿動脈閉塞病変を有する患者さんに最適な治療を提供できるよう、術前に閉塞血管のMRI検査を行い、術中の遠位塞栓などの合併症が発生するリスクがあるかどうかを予測し、よりリスクの低い治療が行えるようにしています。また、上腸間膜動脈の動脈硬化性狭窄による腹部アンギナが疑われる症例で、経口栄養剤負荷MRIを行いステント治療によって症状が改善するかどうかを予測する研究を行っています。
かわさき りょうた
川﨑 竜太
診療科長・放射線部長
【専門領域】
IVR・画像診断
【学会専門医・認定医・その他】
日本IVR学会専門医 日本医学放射線学会放射線診断専門医 臨床研修指導医 がん等の診療に携わる医師等に対する緩和ケア研修会修了
うおたに けんすけ
魚谷 健祐
放射線診断・IVR科部長
【専門領域】
画像診断・IVR
【学会専門医・認定医・その他】
日本医学放射線学会 放射線診断専門医 日本脈管学会 脈管専門医 日本インターベンショナルラジオロジー学会 IVR専門医 日本ステントグラフト実施基準管理委員会 胸部ステントグラフト指導医・腹部ステントグラフト指導医 難病指定医 医学博士 がん等の診療に携わる医師等に対する緩和ケア研修会修了
こいで ゆたか
小出 裕
放射線診断・IVR科部長
【専門領域】
IVR・画像診断
【学会専門医・認定医・その他】
日本IVR学会専門医 日本医学放射線学会放射線診断専門医 日本救急医学会専門医 がん等の診療に携わる医師等に対する緩和ケア研修会修了
なかの ゆみこ
中野 由美子
放射線診断・IVR科部長
【専門領域】
画像診断
【学会専門医・認定医・その他】
日本医学放射線学会放射線診断専門医 日本核医学会専門医・PET核医学認定医 マンモグラフィー読影認定医
すえなが ゆうこ
末永 裕子
【専門領域】
画像診断
【学会専門医・認定医・その他】
日本医学放射線学会放射線診断専門医 日本核医学会PET核医学認定医 マンモグラフィー読影認定医
たかはし たくや
高橋 拓也
【専門領域】
画像診断・IVR
【学会専門医・認定医・その他】
がん等の診療に携わる医師等に対する緩和ケア研修会修了
たかはし まい
高橋 真依
【専門領域】
画像診断・IVR
【学会専門医・認定医・その他】
がん等の診療に携わる医師等に対する緩和ケア研修会修了
おかもと ゆうたろう
岡本 雄太郎
【専門領域】
画像診断・IVR、救急・集中治療
【学会専門医・認定医・その他】
日本救急医学会救急科専門医
おおたに けんすけ
大谷 健介
【専門領域】
IVR・画像診断
【学会専門医・認定医・その他】
日本救急医学会専門医 がん等の診療に携わる医師等に対する緩和ケア研修会修了
件数 | ||
---|---|---|
画像診断(読影) | CT | 35,615 |
MRI | 14,035 | |
RI(心筋シンチ含む) | 3,037 | |
PET | 883 | |
IVR | 下肢血管形成術(OTA含む) | 196 |
腎動脈、上腸間膜動脈ステント留置 | 9 | |
PICC・CVポート埋込 | 208 | |
生検・ドレナージ | 61 | |
Fogarty血栓除去、血栓吸引 | 41 | |
上腸間膜動脈塞栓吸引療法 | 5 | |
緊急止血術 | 100 | |
気管支動脈塞栓術(BAE) | 5 | |
内臓動脈瘤塞栓術 | 1 | |
肺動静脈瘻塞栓術 | 1 | |
B-RTO | 5 | |
TACE | 21 | |
シャントPTA(腎臓内科と合同) | 19 | |
その他 | 165 | |
IVR合計 (腹部・胸部ステントグラフト内挿術含む) |
837 |
IVRは他の診療科の先生方と連携して治療を行うことも非常に多いです。特に心臓血管外科、救急科、消化器外科の先生方と蜜に連携し、ひとつの診療科では治療が困難な疾患をIVRの技術を用いて治療できるよう、体制を整えています。
さらにCTやMRIなどのデジタル画像診断においては地域連携の一環として各種画像検査の要請に応じており、検査終了し次第読影することで、患者さんの検査終了から画像ならびに所見の持ち帰りまでの待ち時間が最小限になるよう努力しております。