心臓血管センターのページをご覧いただきまして、ありがとうございます。心臓血管センター長の川合宏哉です。
2022年5月1日、県立姫路循環器病センター “姫循”と製鉄記念広畑病院は統合再編し、両病院の機能を継承・拡充する県立はりま姫路総合医療センター “はり姫”が開院しました。“はり姫”の心臓血管センターは、“姫循”でのハートチームを継承し、さらに機能を拡充したハートチームとして診療活動に取り組んでいきます。
姫循は昭和56年に日本初の循環器専門自治体病院として開設し、救命救急センターの指定を受け、播磨姫路医療圏域を中心に兵庫県西部における循環器診療の基幹病院として地域医療に貢献してきました。
このたび、循環器専門病院の“姫循”から総合病院の“はり姫”に移行したことで、多くの診療科との連携を強化し、たくさんの病気を抱えた高齢の患者さんや合併症の重なる患者さんに、“はり姫“の総合力を発揮して、救命救急医療を実践しています。
ハイリスクの患者さんが来られる“はり姫”では、身体の全部を診ることで安全な医療を提供します。話しやすい組織文化を醸成して病気へ向かう患者さんの気持ちを受け取ることで安心な医療を展開し、患者さんとの信頼を作ります。身体に負担の少ない低侵襲の技術を用いてやさしい医療を行います。今まで播磨姫路圏域では対応が困難であった難治性疾患の治療や高難度手術などの高度専門・急性期医療を行います。最新鋭の機器を整備し、各領域の専門医と救急科や総合内科等の横断的な専門医、および2,000人を超える職員が一体となったチーム力で、それぞれの患者さんごとの良質な医療を提供します。多職種で行うチーム医療は専門性を高めて、多方面からの視点で医療安全を確保します。
“はり姫”は「良質な医療を良質なチームで」をスローガンにしています。心臓血管センターもこの言葉を実践し、患者さんや地域の方々に安心して頼りにして頂ける医療を提供し、メンバーが誇りを持って仕事に取り組む医療を展開していきます。この心臓血管センターのページでは、活動状況や取り組みの一端をご紹介し、詳しい診療内容につきましては診療科のページにご案内します。どうぞご覧ください。
心臓血管センター長
川合 宏哉
心臓血管センターは、「はり姫」の前身である兵庫県立姫路循環器病センターが播磨地域を中心とした西兵庫で担ってきた循環器診療の役割を踏襲し、特に急性発症した心血管疾患に対し24時間365日体制で救急対応を行っています。高齢化社会を迎え、背景疾患を複数有する救急患者さんに対しても、心臓血管センターの循環器内科医、心臓血管外科医は放射線科医、麻酔科医、救急医と連携し、診療放射線技師、臨床工学技士、看護師等の医療スタッフとともにハートチームとして診療を行っています。
2023年4月から「はり姫」では全ての病棟を運用できる環境が整いました、そこで心血管疾患の患者さんが主に入院いただく9階・8階の病棟は循環器内科と心臓血管外科の混合病棟とし、幅広い疾患に対応しています。主な対象疾患は虚血性心疾患、心不全、弁膜症、不整脈、大動脈疾患、心筋炎・心筋症、末梢動脈疾患、静脈血栓塞栓症、感染性心内膜炎等です。待機・予定症例については、術前術後に循環器内科と心臓血管外科の合同カンファレンスを定期的に行い、情報を共有して診療を進めています。また、カンファレンスでは忌憚のない活発な議論が行われ、各科における手技やエビデンスを共通に認識することでチーム力の向上に寄与しています。
近年の構造的心疾患に対するカテーテル治療や大動脈疾患に対するステントグラフト留置等の低侵襲治療の発達は目覚ましく、患者さんにやさしい医療を提供できるため、高齢者や合併症を複数持つ患者さんにも安心して治療を受けていただけます。清潔な手術室内にAngio装置を設置したハイブリッド手術室ではカテ―テル治療と観血的外科手術に対応でき、カテーテル治療として経皮的大動脈弁留置術(TAVI)や経皮的僧帽弁接合不全修復術(MitraClip®)、卵円孔開存症に対する閉鎖栓デバイス治療、心房細動に対する左心耳閉鎖デバイス治療(Watchman™)や腹部大動脈ステントグラフト留置術(EVAR)、胸部大動脈ステントグラフト留置術(TEVAR)を多数行っています。
緊急の場面では救急搬送患者さんに対して、救命救急センターの初療ブースに、Angio装置とCT装置を設置し外科手術にも対応可能なハイブリッドER(Emergency Room)が整備され、患者さんを移動させることなく診断と治療を並行して行うことにより、1秒を争う重症救急患者さんに対し十分かつ迅速な診療を行っています。
初期治療に続く急性期治療は救命救急センターの集中治療室(E-ICU・CCU)において、補助循環、血液浄化、人工呼吸装置等を用いた高度先進医療を行っています。急性期を過ぎると一般病棟で病態管理を行いながら、患者さんには疾患の知識や生活の重要ポイントを知ってもらいます。一方、リハビリテーションは急性期のベッドサイドリハから一般病棟の病棟リハに引き継ぎ、退院後は外来スペースに整備された心臓リハ室において外来リハを行っていきます。
心臓血管センターでは、忙しい日々の診療の中で心血管疾患に対する医療のニーズがますます増えていくことを実感しつつ、私たちハートチームはこれからも研鑽を重ね、成長していきます。
専門領域 | 心エコー図学・心不全 |
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学会専門医・認定医・その他 | 日本内科学会近畿支部評議員・認定総合内科専門医 日本循環器学会近畿支部評議員・認定循環器専門医・FJCS会員 日本心エコー図学会理事・認定心エコー図専門医 日本心臓病学会代議員・特別正会員・日本心臓弁膜症学会世話人 日本超音波医学会代議員・認定超音波専門医・認定超音波指導医 日本心不全学会代議員 日本核医学会評議員・日本心臓核医学会評議員 神戸大学大学院医学研究科循環器高度医療探索学部門客員教授 |
専門領域 | 冠動脈インターベンション・循環器画像診断 |
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学会専門医・認定医・その他 | 日本内科学会総合内科専門医 日本循環器学会循環器専門医・社員 FJCS/Fellow of Japanese Circulation Society 日本心血管インターベンション学会心血管カテーテル治療専門医・代議員・施設代表医 神戸大学大学院医学研究科循環器高度医療探索学部門客員准教授 |
スタッフに関しての詳細は、各科のページをご覧ください。