当科では、組織診断(生検・手術)、術中迅速診断、細胞診断、および病理解剖を行っています。我々は、患者さんとの直接的な接点はありませんが、臨床より提出された組織検体・細胞検体から標本を作製し、病理診断を報告することで、患者さんの治療方針決定につながる診療情報を提供しています。正しい診断・治療には、臨床医と病理医の連携が欠かせず、常に臨床との密なコミュニケーションを図っています。
また、患者さんが不幸にして亡くなられた場合には、ご家族の承諾の下、ご遺体を病理解剖させていただき、死因や治療効果を検索しています。臨床医とともに臨床病理カンファレンスを行い、死因の究明や診療を検証することで、今後の医療の発展や医学教育に繋がる情報を提供しています。
更に、近年は分子標的治療薬といった治療薬の進歩とともに、それらの治療選択に必要な遺伝子情報を病理組織検体や細胞検体から得ることが求められており、その検索に必要な検体の選択・提供も行っています。
病理診断全般
病理診断には臨床各科との密な連携や情報交換が非常に重要であることから、臨床科との臨床病理カンファレンスを積極的に行っています。
また、臨床と連携し、遺伝子検査を含めた各種診断に適した検体を提供できる様、検体処理の時点から検体管理を行っています。
病理医を目指す若手医師だけでなく、臨床各科の先生方が当科で病理診断について勉強することも可能ですので、お気軽にご相談ください。
なかい ときこ
中井 登紀子
診療科長
【専門領域】
呼吸器病理・乳腺病理
【学会専門医・認定医・その他】
日本病理学会専門医・研修指導医 分子病理専門医 日本臨床細胞学会細胞診専門医・教育研修指導医 死体解剖資格
件数 | ||
---|---|---|
組織診 | 9,464 | |
(生検) | 5,436 | |
(手術) | 3,613 | |
(術中迅速診断) | 415 | |
細胞診 | 4,829 | |
病理解剖 | 9 |
当科では、当院医療チームの一員として、地域の患者さんにより良い医療を提供するために、病理標本の向こうにいらっしゃる患者さんに直接接している気持ちで診断業務に当たっています。今後とも、どうぞよろしくお願い申し上げます。