外傷部門では、地域の整形外科の先生からの要請を、我々が直接電話でお受けする『整形・形成 外傷ほっとライン』を運用し緊急手術の必要な症例に対応しています。また、内科的合併症がある骨折症例の転院依頼を積極的に受け入れて、手術と周術期管理を行った後、リハビリや在宅療養に向けて地域医療機関への転院を進めています。救命救急センターでの脊椎損傷、骨盤骨折、多発外傷(脳、胸部、腹部損傷合併)、重度四肢外傷などの重症外傷の治療に加え、重症骨軟部感染症や骨折や人工関節の術後感染症をより広域より受け入れています。
脊椎外科部門は、変性疾患を中心に、外傷、感染、腫瘍など多岐にわたる疾患に対応しています。さらに転移性脊椎腫瘍に対しては多職種で治療方針を検討する骨転移キャンサーボードを運用し、他科とも連携して多角的な治療を行っています。手術治療においては、小さな傷で手術を行う低侵襲手術から、広範囲に及ぶような侵襲が高度な手術まで幅広く行っています。
人工関節部門では、人工膝関節置換術での膝の靭帯バランスに注力し、関節の適切な安定性とアソビを与える事で術後の患者満足度が向上しています。また、人工股関節置換術はナビゲーションの使用により、より精度の高い手術を行っております。
膝関節外科部門では、前十字靭帯再建術や内側膝蓋大腿靭帯再建術、半月板手術、小児の関節内骨折に対する鏡視下骨接合術など域内の対応施設が少ない手術を行っています。
ご紹介は、上記部門により初診日が異なっておりますので、事前にご予約をお願い致します。また、緊急受け入れ病床を確保するため、出来るだけ早期の転院をお願いしていますので、ご理解とご協力をお願い致します。
整形外科領域の感染症として骨に細菌が繁殖すると骨髄炎となり難治化します。その要因として、抗菌薬の点滴投与では骨髄内の血流の乏しい病巣には届かず、また骨内では細菌がバイオフィルムとなり薬剤に対して高度の耐性を獲得することが挙げられます。そこで当院では、骨髄針を病巣に留置して骨髄に直接抗菌薬を持続投与し病巣の抗菌薬濃度を高く維持して、全身的な副作用を最小限にする手技として抗菌薬局所持続灌流(Continuous Local Antibiotics Perfusion:CLAP)を併用しています。
特に整形外科のインプラントが留置されている骨接合後の感染や、人工関節置換術後の感染ではインプラントを抜去せずに感染を鎮静化することは困難ですが、CLAPを併用することでインプラントを温存して感染を鎮静化できています。
当院では骨感染症の患者さんを近隣の医療機関から受け入れています。さらに、播磨地区全域や県を超えて遠隔地からもこの治療を希望されて受診される方もいらっしゃいます。また、学会や研究会でも注目されることが多く、全国からこの治療を見学に来られる先生もおられます。
人工膝関節では、独自に開発した計測機器で関節のかたさを計測し、最適な関節の緩さを与えます。
むらつ ひろつぐ
村津 裕嗣
副院長・診療科長・患者支援センター長
【専門領域】
膝関節外科・スポーツ傷害
【学会専門医・認定医・その他】
日本整形外科学会専門医・指導医 日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医 日本人工関節学会認定医・評議員 日本人工関節学会認定制度委員会委員 日本関節鏡・膝・スポーツ整形外科学会評議員 神戸大学医学部臨床教授 医学博士 がん等の診療に携わる医師等に対する緩和ケア研修会修了
まるお あきひろ
圓尾 明弘
整形外科部長・整形形成外傷センター長
【専門領域】
外傷・骨軟部感染症
【学会専門医・認定医・その他】
日本整形外科学会専門医・指導医 DMAT隊員 神戸大学医学部臨床准教授 医学博士 がん等の診療に携わる医師等に対する緩和ケア研修会修了
ひらた ひろあき
平田 裕亮
【専門領域】
脊椎脊髄外科
【学会専門医・認定医・その他】
日本整形外科学会専門医・指導医 日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医 日本脊椎脊髄病学会脊椎脊髄外科専門医・指導医 神戸大学臨床講師 医学博士 がん等の診療に携わる医師等に対する緩和ケア研修会修了
いのくち たかお
井口 貴雄
【専門領域】
膝関節外科・スポーツ傷害
【学会専門医・認定医・その他】
日本整形外科学会専門医・指導医 日本人工関節学会認定医・評議員 医学博士
くどう けんじ
工藤 健史
【専門領域】
外傷
【学会専門医・認定医・その他】
日本整形外科学会専門医
かきうち ゆうじ
垣内 裕司
【専門領域】
脊椎脊髄外科
【学会専門医・認定医・その他】
日本整形外科学会専門医・指導医 日本整形外科学会認定脊椎脊髄病医 日本脊椎脊髄病学会脊椎脊髄外科専門医・指導医 日本整形外科学会認定リハビリテーション医 医学博士 がん等の診療に携わる医師等に対する緩和ケア研修会修了
きたざわ だいや
北澤 大也
【専門領域】
外傷
【学会専門医・認定医・その他】
日本整形外科学会専門医 がん等の診療に携わる医師等に対する緩和ケア研修会修了
おはら あきひろ
小原 彬寛
【専門領域】
整形外科一般
【学会専門医・認定医・その他】
日本整形外科学会専門医
おくま しょうや
奥間 政矢
【専門領域】
整形外科一般
まつだ さとし
松田 誠士
専攻医
【専門領域】
整形外科一般
【学会専門医・認定医・その他】
がん等の診療に携わる医師等に対する緩和ケア研修会修了
おおた たかのり
太田 考紀
専攻医
【専門領域】
整形外科一般
かねもと ひろか
金本 大翔
専攻医
【専門領域】
整形外科一般
よしだ けいすけ
吉田 圭助
専攻医
【専門領域】
整形外科一般
件数 | ||
---|---|---|
骨折手術 | 鎖骨 | 51 |
上腕骨(近位、骨幹) | 52 | |
肘関節周囲 | 54 | |
前腕骨幹 | 32 | |
手関節 | 106 | |
手部、手指 | 47 | |
骨盤 | 61 | |
大腿骨近位部 | 100 | |
人工骨頭置換 | 85 | |
大腿骨骨幹 | 55 | |
膝蓋骨 | 18 | |
膝関節周囲 | 27 | |
下腿骨骨幹 | 31 | |
足関節周囲 | 77 | |
骨折合計 | 849 | |
脊椎 | 後方固定 | 51 |
前方後方同時固定 | 7 | |
椎弓形成、切除 | 90 | |
転移性脊椎腫瘍 | 19 | |
脊椎合計 | 221 | |
股関節 | 人工股関節置換 | 50 |
人工股関節再置換 | 0 | |
股関節合計 | 50 | |
膝関節 | 関節鏡視下半月手術 | 31 |
前十字靭帯再建術 | 25 | |
人工膝関節全置換 | 94 | |
人工膝関節再置換 | 3 | |
単顆型人工膝関節置換 | 20 | |
膝関節合計 | 205 | |
感染 | 骨髄炎 | 13 |
軟部組織 | 18 | |
関節炎 | 41 | |
感染合計 | 72 | |
合計( 内、緊急手術:267) | 1,666 |
※術式は抜粋です。
「はり姫」整形外科では、Man powerを増強し、緊急対応が必要な外傷・感染症例に加え、関節外科や脊椎外科の診療機能の拡充をはかりました。慢性疾患も含め幅広く患者さんをご紹介いただきますよう、よろしくお願いいたします。一方、高齢者の外傷症例の増加に伴い、転院加療のお願いが多くなりますが、地域の救急医療維持の為、ご理解とご協力をお願いいたします。