当センターは兵庫県立姫路循環器病センタ一時代から培われてきた不整脈診療に関する経験をもとに専門性を高めることと、各部門との連携を強化し、包括的な診療を行うことを目的として設立されました。
不整脈疾患の治療は薬物療法、デバイス治療、カテーテルアブレーションがあります。ペースメーカに代表される心臓植込み型デバイスには、徐脈性不整脈に対する経静脈ペースメーカ、リードレスペースメーカと心臓突然死のハイリスク例に対する経静脈植込み型除細動器と皮下植込み型除細動器があり、患者さんの病態から最適なデバイスの選択を行っています。デバイス植込み後の問題点としてリード断線やデバイス感染があり、感染についてはリードを含めた全システム抜去が感染治癒に必須であり、様々なデバイスを駆使して麻酔科、心臓血管外科、形成外科の協力のもとで手術を行っています。
心房細動に対するカテーテルアブレーションは2019年から全身麻酔を導入し、患者さんの苦痛軽減、心穿孔等の重篤合併症の減少、成功率の上昇が得られています。昨年から導入したパルスフィールドアブレーションは心房細動のアブレーションの基本となる肺静脈隔離術を短時間、かつ容易に行うことができ、そのエネルギーが心筋選択性を有することから、周辺臓器への障害が起こらず、また慢性期の肺静脈狭窄も少ないとされており、安全性の向上が期待されています。さまざまな不整脈疾患の治療手技の習得と安全性、治療成績の向上を目指し、患者さんに対する最適な治療を提供していきます。
| センター長 | 嶋根 章(循環器内科) |
|---|
