子宮筋腫を「切らずに治す」子宮動脈塞栓術(UAE)

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子宮筋腫を「切らずに治す」子宮動脈塞栓術(UAE)

当院では、子宮筋腫に対して子宮を温存したい方・手術以外の選択肢を希望される方に向けて、お腹を切らない子宮動脈塞栓術(UAE)を提供しています。本邦では2014年に保険適用となった比較的新しい治療法で、欧米では標準治療として広く行われています。

子宮筋腫とは?

月経痛・月経過多・貧血・下腹部膨満・便秘・頻尿などの症状は、子宮筋腫が原因の場合があります。子宮筋腫は成熟期の女性に多い良性腫瘍です。症状がなければ治療の必要はありませんが、日常生活に支障がある場合は治療の対象となります。

治療には薬物療法や手術がありますが、より体への負担が少ない治療としてUAEが選択肢に加わるようになりました。

子宮動脈塞栓術(UAE)とは?

カテーテルを用いて子宮筋腫を栄養している血管(子宮動脈)を塞栓し、筋腫へ流れる血流を止めることで、筋腫への栄養供給を遮断して縮小させる治療です。UAEには以下の様なメリットがあります。

  • お腹を切らない、傷跡が残らない
  • 子宮を温存できる
  • 月経痛・出血量改善に高い有効率
  • 入院期間が短い(4~5日)
  • 多発筋腫・大きな筋腫にも適応可能

UAEの方法

  1. 右足の付け根を局所麻酔し、直径約2mmのカテーテルを挿入します。
  2. X線画像を見ながら子宮動脈までカテーテルを誘導します。
  3. ポリマーでできた直径0.5~1mmの球状塞栓物質(マイクロスフィアといいます)をカテーテルから両側の子宮動脈に注入し、筋腫を栄養する血管を遮断します。
  4. カテーテルを抜去し、病棟に帰って約5時間の安静を行います。

入院スケジュール

  • 1日目:入院・術前準備
  • 2日目:UAE施行(局所麻酔+鎮痛管理)
  • 3日目:術後観察・痛みの改善
  • 4~5日目:退院

社会復帰は退院後約1週間が目安です。

治療効果

症状の改善

  • 月経量の改善:85〜94%
  • 月経痛の改善:約80%

筋腫の縮小

体積で60〜80%縮小(半年から1年かけてゆっくり縮小していきます)

MRI画像

左:治療前の画像で、黄色で囲んだ部分が子宮筋腫です。
右:治療3年後の画像で、筋腫は著明に縮小しています。

長期成績

  • 5年後の症状改善率:75%
  • 再治療率:約20%
  • 症状再発率:11〜25%

※いずれも世界的な多数の臨床研究に基づくデータです。

合併症について

  • 下腹部痛
    塞栓直後〜翌日がピークです。鎮痛剤、鎮静剤でコントロールします。
  • 術後感染(1~2%)
    多くは抗生剤で改善しますが、まれに子宮摘出手術が必要な場合があります。
  • 無月経・卵巣機能低下
    45歳以下:2〜3%
    45歳以上:約8%
  • 稀な合併症
    深部静脈血栓症/肺塞栓症/Asherman症候群/子宮壊死など

妊娠・出産について

UAE後に妊娠・出産した症例は世界的に多数報告されています。
一方で、流産率が増える可能性を指摘した報告もあり、挙児希望のある方は、産婦人科医と放射線科医が合同で慎重に適応を判断します。

UAEの適応

適応となる方

  • 子宮筋腫による症状がある
  • 子宮を残したい
  • お腹を切る手術を避けたい

適応とならない、または慎重に検討が必要な方

  • 妊娠中・妊娠の可能性がある
  • 将来妊娠の希望が強い方
  • 子宮・卵巣の悪性腫瘍が疑われる
  • 子宮・卵巣・泌尿器の感染症がある
  • ヨード造影剤アレルギー
  • 閉経後(※症状がある場合は適応となることもあります)

費用について

UAEは保険適用の治療です。
医療費の3割が自己負担となり、高額療養費制度も利用できます。

よくある質問

  • 本当に傷は残りませんか?

    皮膚切開は行わず、カテーテルは約2mmと細いため、傷跡はほとんど残りません。

  • 治療に伴う痛みはどれくらいですか?

    治療によって子宮に虚血が起こり、下腹部に強い生理痛のような痛みを感じます。
    カテーテル治療中は強い痛み止めの薬と鎮静剤を使用し、半分眠った状態にして、苦痛を感じないようにしながら治療を行います。
    治療当日夜〜翌日が痛みのピークですが、鎮痛剤を用いてなるべく痛みを感じないようにコントロールします。

  • 大きな筋腫でも治療できますか?

    多くの場合で可能です。画像検査で詳細を評価します。

  • 貧血があっても大丈夫?

    大丈夫です。過多月経による貧血がある方はむしろ良い適応となります。

  • いつ仕事に戻れますか?

    多くの方が退院後約1週間で社会復帰されています。

相談・受診窓口

産婦人科または放射線診断・IVR科外来までお気軽にご相談ください。症状や生活背景、ご希望に応じて最適な治療をご提案いたします。

関連リンク

診療科・部門・センター/放射線診断・IVR科

診療科・部門・センター/産婦人科

子宮筋腫note(患者さん向け情報サイト)

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